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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 ( No.8 )
- 日時: 2010/11/14 12:41
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
——放課後——
放課後。俺はとある部室に向かった。
ここ一ヶ月来るのを忘れていたため、少しほこり臭い。
俺が入っている部活は文芸部。部員数総員で1人。つまり俺だけの部活だ。
ここの部活審査は甘い。自分がやりたいと思った部活を、簡単な書類審査した後に、
部活を認定する。
最初にやるのは掃除か……。
そう思い、掃除道具を片手に部屋の電気
をつけたときだった。
———誰だ?
部屋の中央にある、1つだけのデスクに美しい少女が座っている。
腰まである長い髪の毛は赤い。そして恐ろしいほどに白い肌に切れ長の鋭く、赤い瞳。
長いまつげもおまけ付き。形の整った鼻に厚みのない赤い唇。一瞬、口紅でもつけているのかと
思ったが、そうではなさそうだ。
そして、その髪、瞳、口の赤い色はまるで———。
「…血?」
「あら、どうしてあたくしの好きな物が分かったんですの?」
その美少女は透き通るような美声を発した。
言葉遣いは何処かの姫のような、上品な言葉。
「…お、お前は誰だ——」
つばがのどに引っかかって、うまく声が出ない。それほど俺は驚いていると同時に、恐怖を感
じていていた。この世のものとは思えないほどの美しいこの少女に。
「…ちょっと、このあたくしにこんなほこり
臭い部屋に、長時間居させて。どういうおつもりなの?」
「……質問に答えろ。お前は何だ」
落ち付け、落ち付け、と心でつぶやく。
「あたしの名前はローズ・ウィンディ。
悪魔界からやってきた、あなたの契約者———」
あくま…けいやくしゃ……。
俺はすぐそばにあった辞書を引いて、その言葉を調べた。
ああ、あくまは「悪魔」で、けいやくしゃは「契約者」か……。
頭の中でようやく漢字に変換できたとき。俺は言葉にならないような奇声発していた。
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