PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 ( No.10 )
- 日時: 2010/11/15 19:49
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
06
「どういうことって…そういうことよ」
先生達が帰った後、俺は隣の教室から椅子を1つ持ってきて、溜息混じりに座った。
ふいにローズが口を開いた。
「そういえば、あなたはいったいどういう人間ですの?
先ほど来た人間達は、あなたを気味悪がってましてよ」
「……当たり前だ。なんせ俺は学校一の嫌われ者だからな」
その言葉の意味が理解できないのか、ローズはただ首をひねっているだけだった。
しかし、改まってみるとこの少女の美しさは尋常ではなかった。こうやって首をかしげているだけでも、絵になっている。
「嫌われ者?それはいったいどういうことですの?」
「……俺は周囲の人間には認められていない存在と言うことだ」
「……前から思っていましたけど、あなたのその口調。なんとかなりません?」
…読者のみんなはとうの昔の突っ込んでいただろう事を、大胆に言う。
「……時代劇ファンなのだ。そう、気にするでない」
ちなみに地の文では普通の話しているのは、読者の皆様が不可解な気分にならないように配慮しているからだ。それでも不可解な気分になるというならば、今から戻ることをオススメしよう。……だが、俺的にはこれ以上読者が減ってしまうのは…寂しいが。
「なにをぶつぶつ言っているんですの?」
「…いや、何でもない。それより、そろそろ俺の事だけではなくお前のことも聞かせてくれるか」
その言葉に、先ほど笑っていた顔は冷酷な物へと変わった。……同一人物とは思えないほどに。
「あたくしのこと?…まぁ知る必要はありますわね。じゃあ————この世界を滅ぼすことになったきっかけから話しましょうか」
その口からは血にも劣らない真っ赤な舌が、ちろり、とのぞいていた。
PR