ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 12話更新 ( No.38 )
- 日時: 2011/01/16 14:54
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
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「……はよ」
「おはよう、良ちゃん」
「さっさとご飯食べてよね」
いつも通りの朝の風景。しかし、平凡的な台所に異様な人物が居る。
「ふふっ。あたくしの手料理を食べられるなんて、贅沢ですわね。あなたは」
「……全然似合ってないな」
コーヒーの匂いが漂うリビングに、ピンクのエプロンをつけたローズがにっこり笑う。
……はっ。似合わないな。
日常的な朝の風景に、異様なほどの美人な女が朝食を作っている。
考えても見ろ。笑い話だぞ。
「似合わないって…。あなた、そんな言葉を女性にかけるなんて最低ですわ」
「ほんと、さいてー」
「…………」
口うるさい妹が加わったため、俺の敗北は決まった。
「ほら。みんな早く食べて。学校遅れちゃうわよ」
「「「はーい」」」
「今日はなんと、このクラスに転校生が来ています!!」
朝倉先生の一言で、一気にクラス中が騒がしくなった。
うるーせよ。しかも、前の席から何倍も煩い奴が話しかけてくるし。
「なーなー。女子かな?男子かな?」
「知るか」
1人思い当たる奴が居るがな。自称悪魔の美人が。性格悪魔の美人さんが。
「……なぁ良介。お前昨日一日で老けたな」
「失礼な。やつれたと言え」
ま、どっちも同じなんだがな。
「はいはい、静かに!では、入ってきてくださーい」
ガラガラ…
扉が開く音がしたかと思うと、男子の下品なざわめきが俺の耳に入ってきた。
……やっぱりこいつか。
「ローズ・ウィンディです。よろしくお願い致しますわ」
教壇の前には、自称悪魔、性格悪魔の女が立っていた。
特上のスマイルを手土産に。
「ローズさんの席はねぇ。……佐々山さんの後ろ!」
「えー?」
「そりゃないぜぇ。あんな変人の後ろなんて」
「馬鹿がうつりますよ、先生」
……本人が目の前にいるのに、よくぼろくそ言えるなぁテメーら。
「良介、ぼろくそ言われてるな」
「黙れ。俺はお前よりもすぐれてると自負して居るぞ、次郎」
「ひどっ!」
ふんっ。
そう言っている間もブーイングは止まらない。
あーうざい。やっぱり平凡な生活というのはつまらないんだな。
「……凡人よりは多少変人で居た方が、人生得するからな。
俺はお前たちより勝ってると自負している」
「なっ!?」
「ちょっと時代劇オタク!!なんて言ったぁ?!」
「時代錯誤野郎のくせに何言ってんのよ!!」
俺は正直に言っただけだ。それの何が悪い。
「……先生、あたくしの席はあたくしの同居人の後ろで良いのですね?」
「そ、そうね。ちょっと変わっているけど、面白い人よ?」
そんなやりとりが前から聞こえてきたが、無視だ無視!!