ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第一章 ひとつの欲望からⅡ ( No.2 )
日時: 2010/11/14 11:27
名前: 葡萄飴 (ID: acQ6X1OT)

教室へ帰る途中、中庭の方を通って帰った。
本当は階段をそのまま上がった方が早いけど。気晴らしにね。

リーン リーン…

綺麗な鈴の音…
辺りを見回しても誰も鈴なんか鳴らしてない。
ふと、こんな言葉が頭の中に吹き込まれたような気がした。

『真っ黒な天使の助けを求めている人間は、綺麗な鈴の音を出しているんだ』

その声は確かに夢で聞いた声。
誰なのかは分からない。
私は鈴の音がする方へ走った。

「はぁ… はぁ…」

心の鈴を鳴らしていた人間が、寂しそうな背中をこちらに向けて座っている。
中庭から結構はなれた体育館につづく廊下のベンチに座っていた。

「あの…」
「……………」
「えっと…」
「……………………」

なにこの人!! 呼んどいて無視!?
それとも寝て----------

「スー… スー…」

てた。 この人、寝ながら助け求めるなんてどんだけよ。

「……助けて……」
「だから助けに来たって!」
「お姉ちゃん… 助けて…」
「…? 寝言…」

このまま起きるの待った方がいいのかな。
それとも起こした方が…

「華蓮〜〜!」
「あ… 優莉。」
「どうしたの? なかなか帰ってこないし…」
「この人が起きないから…」
「もう! チャイムなっちゃうよ? 教室戻ろう。」
「……うん。」

私を呼んだ人を放ったまま、優莉と一緒に教室に戻った。
気になったけど…