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第一章 ひとつの欲望からⅢ ( No.3 )
日時: 2010/11/15 21:41
名前: 葡萄飴 (ID: acQ6X1OT)

真っ黒な天使は真っ黒なことをしてお腹いっぱいになるのかな。
そんなことを考えて、午後の授業なんか全然聞いてなかった。
まぁ勉強なんて私には関係ないけど。
いつか天界に戻って普通の天使になるんだからっ

リーン…

ああ、まただ。
もう… 何所で呼んでるのかな…

「先生。調子悪いので保健室行ってきてもいいですか?」

教室から出て、保健室に行こうとすると何度も鈴の音が聞こえてきた。
保健室に近くなると、音も次第に大きくなってきた。
ガラッ

「あら? どうしたんですか?」
「あの、調子悪いので休ませてもらっていいですか?」
「じゃあ熱測ってくれる?」

出された体温計で熱を測った。
熱なんてないかもしれないけど。
ただ鈴の音が気になってここに来ただけだし。
ボーっと外を見てると体温計が鳴った。

「36.8…… 微妙ねぇ〜 まぁ少し休んでなさい。」
「はい。」
「じゃあ先生職員室行ってくるから、寝てなさい。」

ベットに横になろうとしたら、目の前のベットに女の人がいた。
あの、ベンチに座ってた-----

「あ………」

目が合ったけど、あっちからふいっと目をそらした。
はぁ… 助けを求めてるのはあなたじゃないの。

「寝言…… 聞いた?」
「え…」
「やっぱり…」
「なんで知ってるの。」
「貴方達がしゃべってたの、聞いて後から目、覚めたから。」

しばらく沈黙が続いた後、助けを求めていた少女は言った。

「助けてくれるんでしょ?……もしもだけど…あなた真っ黒な天使でしょ?」
「どうして知ってるの。」
「色々調べてたから。 …本当に願叶えてくれるなら、私の願い叶えてよ!!!」

泣きそうな目でしがみついてくる少女を私は自分から引き離した。

『叶えてあげる。』

少女ははスゥッと力が抜けたように、ベットに倒れこんだ。
華蓮は右手を少女のおでこの部分に手をあて、青黒い光を出した。

『真っ黒な天使の部屋にようこそ。』