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　葵はガタガタと震えていた。葵の母親だけでなく、父親も殺された。
　(　…お父さんが………殺された…　)
　すると声が聞こえた。
　「　葵〜…いるんだろ？　」
　(　……やばいやばいやばい見つかる見つかるどうしよう！　)
　葵はぎゅっと目をつむっていた。＠が部屋にきそうな予感がしていた。
　「　ははっ、まあいるのは分かるんだけどさ？　」
　「　あと、これからさ？お前の周りの奴、全部殺すから　」
　葵は言葉を失った。葵の「周りの奴」とは…友達、先生、知人、親戚……────そして…詠未。
　「　あぁ、梨螺は別だぜ？知ってるだろ？…………んじゃあな　」
　＠は家から出て行った。しかし葵はまだ震えていた。＠に襲われたわけでもなく、殺されかけたわけでもない。葵の周りの人間を殺すと＠に宣言されたからだった。せっかく友達になれたばかりの詠未が…＠の手によって殺される…。
　(　…詠未が？……＠に…殺される…　)
　唯一の希望の光だった。まだ殺すといわれただけで殺されてはいないのに、何故か殺される気がしてしまって怖くて怖くて怖くて何も言えなかった。