ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

無題『#1』 ( No.2 )
日時: 2010/12/02 16:48
名前: 舞音子 (ID: .ZLG9XHf)

「・・・・・・・・そして今日の1時間目の理科だけど担当の松崎先生が体調不良でお休みなされているため自習だぞー。」

担任の溝川が今日のおおまかな予定を行っている間、男子諸君は宿題に黙々と取り組んでいたが「自習」という2文字を聞いた途端目がキラキラ輝きだし歓声を上げる。

「んじゃ自習の準備しとけよー。」

そう言ってSHRが終わり溝川は教室を出ていった。女子は自習の準備を始め一部の男子は宿題の「書写」を黙々と進め宿題をやっと終えた残りの男子はケータイいじりやゲームを始める。

優徒とはいうと自分の前の席の女子からお菓子をもらい口をもぐもぐさせながら未だに宿題の「書写」を続けていた。

午前8時15分------------
1時間目の始業の鐘が鳴る。

隣のクラスからは必至に数学を教える熱血教師滑石の声が響いている。

一方このクラスからは男子諸君の娯楽に対する喜びの声が響いている。

優徒もようやく宿題を終えケータイいじり。メールが1通届いている。

『いま数学ー(-。-)y-゜゜゜』

隣のクラスの水嶋妃奈からのメールだ。最近聞いたのだが妃奈は優徒に一目ぼれしロックオンしているという噂らしい。

適当に返信をし終えたとこでさきほど「がり勉」と散々言葉を浴びせてきた隣の席の永田稔広がいきなり話題を口にする。

「なぁなぁなんで理科の松崎休みだと思う?」

「風邪じゃねぇのー」

ケータイをいじりながらこれまた適当に返事をする。

「風邪はありえねぇだろ。だってあいつ今まで人生で一度も風邪引いたことないとか自慢してたじゃん。」

腕組みをしながら、よほど休んだ理由が気になるのだろうか真剣なまなざしでこちらを見ているのがわかる。

「じゃぁ人生で初めて風邪引いたんじゃねぇの。」

「ありえる。」

とお互い顔を見合わせて笑った。