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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 無題『#1』 ( No.5 )
- 日時: 2010/12/02 16:50
- 名前: 舞音子 (ID: .ZLG9XHf)
「だぁー!!疲れたーー!!!」
指定下校時刻午後7時。部活を終えた生徒たちがわいわい喋りながら帰途につく。
優徒は同じバスケ部の並河宗助と校門で永田を待っていた。
「いつも校門で大声出すにやめろよな。」
優徒が並河に冷たい視線を送りながらそう言う。帰る生徒たちがちらちらとこちらを見てくる。
「なんでだよー。感情を表に出すことはいいことだぞ!」
ニィッと笑いながら親指をグッと立てるがどう対応したらいいのかわからない。
「じゃぁね綾瀬くん」
肩をポンとたたかれ耳元で囁きながら水嶋が友達と帰っていく。友達から肘を小突かれかわいらしい笑みを浮かべている。
「水嶋って大胆だよなー」
頭の後ろに腕組をしながら並河が感嘆の声を漏らす。
「おッ待たせ」
またもや耳元で誰かが囁いたが今度のには鳥肌が立った。
「お前かよ!おせーよ!」
驚いたのと恐怖心で思わず大声を出してしまう。囁いたのは永田だった。首にタオルを巻いて野球部専用のエナメルバッグを担いでいる。
「優徒ー、大声出すなよー」
並河が皮肉たっぷりにそう言う。明日バスケの練習時に思いっきりファウルをくらわせようと決意した。
「うるせぇ、帰るぞ!」
「「はいはい」」
永田と並河はお互い顔を見合いプッと笑いながら優徒の横に並んで帰途についた。
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