ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 偽りの僕 ( No.10 )
- 日時: 2010/11/17 15:06
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
† 第一話 死んだ“俺” †
“俺”が死んでからもう2年が経った。あぁ、懐かしいなぁとそれを思い出せる余裕すら出て来る。
“僕”———雪上流維はそんな事を考えながら、憂鬱と良く言われる授業を受けていた。
そんな僕は現在高校一年生。成績は思ったより良く、この銀髪を馬鹿にされる事も無い。至って普通の日々。……を、演じ続けている。
え? それがどう言う意味かって? それを簡単に言ってしまえば、つまらないじゃあないか。
まぁ、後々気分が良ければ話すかもしれない。様に今の僕の気分は至極最悪だった。
「お前らは、これがどれだけ重要な事か分かってんのか!? ふざけてんじゃねぇよ!!」
簡単に言えば、お説教の最中。だけどこれは僕限定にお説教をしている訳では無く、クラス全体に。
理由? 一部の馬鹿みたい、いや、馬鹿な奴らが授業妨害と言う馬鹿馬鹿しい行為をしているせいだ。
僕は関係おろか寧ろ正反対の行為をしているとは思うので特に話は聞いていない。
と言うより、誰が授業妨害してんのか分かってるんだったらそいつらを説教すれば良いのに。
効率が悪いよなぁ……と欠伸を噛み殺しながら考えていた。
「良いか! 俺も確かに高校の頃はお前らみたいに阿呆な事をしていた! だがこれは悪だと分かったんだ!! お前らも、これが悪だと気付け!!」
いえ、知ってます。と言うよりお前も悪だったのか、ふーんとか思わず心の中で感心する。
普段一応“真面目な学生”と思われている僕のレッテル通りの行動とは呼べなかった。
最もレッテルなんで剥がして破り捨てたいけれど。
まぁ、それはどうでも良いとしてクラスの大半の生徒はまたかと言う表情で聞いているし言われている張本人の生徒に至ってはおかしそうに笑っていた。
「何がおかしい! 良いか、俺はお前らが正しい事に気づくまではずっと付き合うからな!!」
……はぁ、そうですか。また出てきそうになった欠伸を堪えつつも一応黒板だけ見ておく。
と言うより授業妨害していた奴は皆聞いてませんよ? と内心言ってみたかったが、止めておく。
説教中の教師に口を出すのは教師的に言語両断っぽそうだし、何より言ってどうする? と言う話だ。
キーン コーン カーン コーン
平凡、と言うか何の特徴も拘りも無い至ってごくごく普通のチャイムが鳴り、授業の終わりを告げる。
米神に筋が立っている教師を放置するかのように学級委員が号令をして休み時間が幕開けた。
……と、ここまで見てれば分かるだろう。僕はごくごくごくごく普通の日々を送っている高校生。
そんな高校生が中学の時暴力事件を起こした、だなんて信じられないだろ?