第一章 まっしろ音色たいせつなおんなのこにちかよりながら、めのまえでおとなのひとがわらった。ぼくはさけんだ。うそ。そんなおとなのひとをみてなにもできなくて。ふるえることも。なくことも。こえをだすこともできなくて。おんなのこはひめいをあげて、なんどもたすけてっていってた。おとなのひとは、そんなぼくのたいせつなおんなのこを。てにもってたないふでさした。あかいちがぼくにまでとんできて。やっと、こえがでた。おんなのこはわすれた。ぼくのことも。おとなのひとも、ぜんぶぜんぶ。