ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 貴方に生を、僕に死を〜只今オリキャラ募集してます〜 ( No.10 )
日時: 2010/11/20 18:03
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)



カーペットに付着した血を拭き終わり、朝ご飯(と言ってもパンだが)を用意する祐樹。そのまま茉梨をリビングで待つが———遅い。まさかまた自殺行為をしているんじゃなかろうか。そう思って、風呂場へ向かう。
「あ…わたし、のジャージ、着たらまた血でベトベトに、なっちゃって…」
確かにシャワーを浴びて綺麗になった筈の身体は、また赤くなっていた。
「もう1回洗っておいで。その間に僕の服を用意しておくから———あ、僕があっち行ってから服脱いでよ?」
「……」
多分もう脱ごうとしていたのだろう、ジャージの腕の部分の裾に、手を掛けていた。

                           ♪

「これ、ぶかぶか」
「そりゃそうだよ。身長が違うんだから」
男性用の服装だからなのか、それとも茉梨にこんな服装が似合わないだけなのか、何処かぎこちない状態だ。しかし茉梨のほうはそんなこと気にせず、皿の上に置かれたトーストを見つめている。
「どうしたの、茉梨さん?もしかしてパン、嫌いだった?だったらコンビニでおにぎりとが買ってくる『ザクッ』」
最後の「けど」が、茉梨の包丁の音によって掻き消される。
「茉梨さん!?トーストは手で食べれば良いんだよ!?手を汚したくないなら、フォークがあるから!!」
「…………うん?」
「だ、だからほら、こうやって食べるんだよ。あ、ジャムとかもあるから、欲しかったら塗って良いよ」
こくんと頷いて、茉梨は自分の1番傍にあったジャムのビンを取った。そして中身をまじまじと見つめて、「血が入ってる」
と言った。
「茉梨さん、これは血じゃなくて、イチゴジャムだよ。ほら、あの果物のイチゴ」
そこで呆れもせずに教える祐樹も、普通の人とは違うと言える存在なのかもしれない。
「ふうん。コレ塗る」『がちょん』
「入らない…」『がちょん、ガキョ』
「茉梨さん、何でも包丁で出来るわけじゃないんだよ。ていうか茉梨さん、此処まで天然だと、逆にわざとなんじゃないかって思えてくるんだけ…ううん、何でもないよ。はいコレ、スプーン。これで塗ってね」
「……ん」