ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 貴方に生を、僕に死を〜参照300&返信100突破!〜 ( No.103 )
日時: 2011/01/09 11:13
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 明けましておめでとう御座います、今年も宜しくお願いします!!

4話-ハートにしまった思い-開幕

「———またきみは、あたしの———いや、あたし達の邪魔をするんだね」

突然の雨流の家への侵入者。その侵入者———茉梨が雨流にカッターを向ける。どう考えても切れ味の良い、新しいぴかぴかのピンク色のカッターを。

「“情報屋さん”から聞いたけどさ。きみって死にたがり屋さんなんでしょ?だったらあたしが殺してあけようか?てか殺してあげる。目障り、邪魔」
———死にたがり。
その言葉を聞いて一瞬身体を小さく震わすが、やがて反論する。
「確かに私は死にたいと思ってた。昔は。でも今は、死にたくないし、死ねない。だって好きで、守りたい大切な人がいるから」
強い意志を持った目で、顔で、声で言う茉梨。そしてカッターを握る手の力を一層強くする。
「もうどうでもいいよ、祐樹君さえ生きてれば。他は何も要らないし、何も望まない。だからきみもあたしの未来の為に消えてくれるかな?」
そんな茉梨の様子を見て、やっと立ち上がりナイフを手に取る雨流。

「あーあ、折角このナイフに祐樹君の血が付いてるから後で飾ろうと思ってたのに、まさかきみを刺さなきゃいけないなんてありえないよ。よし、刺しっぱなしにしとこう」

———いやいや、刺しっぱなしとかどんだけ物騒なの?
———しかも今さらっと僕の血が付いたナイフを飾るとか言ってなかった?
———嗚呼、どうしてこう僕の周りは普通じゃない人が集まるんだ?
———そっか、僕が普通じゃないからか。
うんうんと1人で頷いて納得してしまう祐樹。

「貴方は私の嫌いな人。ブラックリストに載る。ていうか載った。載せた」
「きみはどーせ死ぬ運命なんだから今更あたしがブラックリストに載せられようが載せられまいが関係無いし。
祐樹君、あたしがこの子を殺すとこ、きちんと見といてね———?」




                           ♪




「やっぱ素人は素人っすねー。どんな武器所持してよーと強弱っつーモンがあるんですから」
パンパン、と手に付いた血やら何かを掃い、近くに倒れていた男の背中に飛び乗る。
「アニキィ、勘違いしないで下せェ。オレがアニキ達を殺さないのは殺人犯になりたくねェからでさァ」
踏みつけながら最後に、

「なーんて嘘♪」『ザシュッッ!』

にっこりと満面の黒い笑みで笑いながら男の心臓をナイフで貫く。
「ガキだからってナメてちゃ駄目っすよぉ?特に最近の若いガキは良いことより悪いことのほうに興味湧くんすから。
だから、殺しくらい日常茶飯事っすよ。


少なくとも、オレは」