ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 貴方に生を、僕に死を〜コメ・アド下さい、宜しくお願いします〜 ( No.24 )
- 日時: 2010/11/26 17:36
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
「あー、祐樹。お前もう帰んのかよ。カラオケとか行こうぜ、カラオケとか」
「何で2回言うの」
「大事なことなんで2回言いましたッ!!」
———放課後。部活をしていない祐樹と透夜は、教室に居残って話していた。
「カラオケはちょっとね…僕歌下手だし…もっとノリの良い友達と行ってきなよ」
そう言って遠まわしに「早く帰りたい」を主張する祐樹。そんな遠まわし発言に気付いたのか透夜は、
「何か隠してる?」
そう訊いた。
「ッ……べ、別に…。た、ただ単に早く帰って勉強をしたいだけだよ…?」
「うっわ、お前の嘘超バレてるし。全く、これだから良い子ちゃんはバカなんだよ」
そう言ってから、
「よし、今日祐樹の家泊まるわ」
唐突にそんな話を持ちかけてくる透夜。
「へ?ぇ、ちょ、待っ…」
「じゃぁ準備して祐樹ん家行くから!早く帰っとかねぇと、俺不法侵入するかもよ!」
いや、それは犯罪ですから。
そんなことを思いながらも、穏やかに笑いながら祐樹は少し急ぎ足で家へと急いだ。
♪
「はぁ…はぁっ…ただい———」『ギギャッ』「え?」
いつものように誰もいない家のドアを開け、「ただいま」と言う祐樹だが———そのドアが開かなかった。
「(まさか茉梨さん…!?)…」
そう思い、他に何処か空いている窓はないか探してみると、庭へつながる窓の鍵が開いている。
「茉梨さんッ!!!」
普段挙げない叫び声を挙げ、土足で家の中へと入っていく祐樹。
———イナイ。
———ドウシテ、マリサン。
そんな思いが脳裏をよぎった次の瞬間、祐樹は駆け出していた。制服のままで、窓を開けっぱなしで。透夜との約束もいつの間にか吹っ飛んでいた。それほど茉梨を心配していた自分が———新鮮に思えた。
♪
公園
「いない…」
祐樹が家へ帰ってから3時間が経とうとしていた。まだ茉梨は見つからないらしい。
ドウシテボクハ マリサンノソバニイナカッタ?
マリサン———ドコデスカ——————————?