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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 貴方に生を、僕に死を〜コメ・アド下さい、宜しくお願いします〜 ( No.35 )
- 日時: 2010/11/30 17:57
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
半ば絶望的な目で公園内をうろつく祐樹。
「あれ、アニキ。また逢えましたね」
そんな祐樹に、1人の少年が声を掛ける。
「君、今朝の…?」
「あ、申し遅れたんすけどオレ、伊谷 唯【イタニ ユイ】っていいますわ。宜しくっす、アニキ。
で、どうしたんすか、顔色悪いっすよ?」
「えっと…」
話して解るものじゃないと思うしなぁ…。
そう思う祐樹の心を分かってか、唯は言う。
「アニキが言いたくないなら言わないでいいっすよ。無理に言ったって心のモヤモヤは晴れるわけじゃないですしね」
1つだけ、祐樹には唯に対して気になることがあった。ただそれを唯に言う勇気が無い。
祐樹という名前だけに、【勇気】があって欲しいもんだと祐樹は思った。
「アニキ、茉梨の居場所教えてやりましょーか?」
「え?」
突然の質問に、唯を見る。
真冬だと言うのにマフラーもコートも着ず、自転車を手に持った少年の姿を。
「どうして君が茉梨さんを知って…?」
湧いてくる疑問はそればかりだった。
「でもアニキ、茉梨を今助けたって、どうせ自殺行為してるに違いないですよ。あいつ、自殺願望者なんすから」
—————————————————————————————何で。
「どうして茉梨さんのこと知って…?」
「アニキ、その発言2回目でさァ。
茉梨のことをどうしてオレが知ってるかは…秘密ですけど」
そして1拍置いてから、
「アニキ、どうするんですかー?」
答えを解りきっているかのような問い。自転車にまたがり、ハンドルに手をかける唯。
「…行くよ」
そんな唯が想像していた答えと同じ答えが、祐樹の口から吐き出された。
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