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Re: 貴方に生を、僕に死を〜コメが欲しいでs(黙れ〜 ( No.67 )
日時: 2010/12/19 23:51
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 前髪10㎝切りましたww

起きたらもう、夜だった。12月20日の。

病院のベッドに寝かされていた祐樹。そっと身体を起こしてみる。

「ん………」
「あ、茉梨さん…。起しちゃった?」←小声
そんな心配をする祐樹だったが、どうやら大丈夫だったようだ。
そっと茉梨の頭を撫でてみる。ふさふさしていて、柔らかい感触。

———てか茉梨さん、昨日からずっとワンピースのままなんだな。
———寒いだろうに。

そう思うが早いか、祐樹はベッドから飛び降り、茉梨をふわりとお姫様抱っこして、ベッドの上に寝かせ、布団を被せる。

「お休み、茉梨さん」
そう静かに呟いて、ベッドの脇に座り、祐樹ももう1度眠りに付いた。




                           &




「起きて、朝」
「んぇ……?」
眩しい太陽の光が祐樹のベッドの丁度真中を照らす。

「あぁ、おはよう茉梨さ「ごめんなさい」」
おはようという挨拶より先に謝られる。一体何事だろうと首を傾げている祐樹。

「私の所為で入院させちゃったから。
あと、何か嫌なもの思い出させたみたい…だから」
「あぁ、そのこと?だったらもういいよ、大丈夫。あんなの何でもないから」
そう笑顔で呟いてから、ドアの方を見る祐樹。そこには、この季節に全く似合わない花柄のワンピースを着て、苦笑いをしている女性の姿があった。

「あの……貴方は?」
多分大人だろう、そう思い敬語を使う祐樹。

「あら、2人の幸せな時間に御邪魔しちゃったかな?ごめんね。でも少しだけ、話があるの。
祐樹君、きみに」




                           &




-相談部屋-

「ごめんなさいね、本当に」
「いえ、いいんですが……貴方は…」

相談室とは言え、やはり病院。真っ白であまり落ち着かない様子の祐樹と、困った様子の笑顔で祐樹に話をする女性。

「え?あぁごめんなさい。あたし、古町 雨流。…覚えてる?小中一緒だった…」
「え?うっそ」「ほんと」

———それにしても、1年ですごい印象がらりと変わったなぁ。
———中学校の頃は結構暗い感じの子だったのにな。
———まぁ、人と違うのが好みだっていうのは変わってないみたいだけど。

「それで…いきなりどうしたの?」
1番の疑問。
「んーん、怪我した、って聞いたから」
そして祐樹が「誰に」と訊く前に、その人の名前を雨流が言う。

「唯って男の子に。
あの子、変な子だね。こんな雪の降る中、自転車だなんて」
「古町さんもワンピースは結構この季節には合わないと思うけど」

どちらもどちら。良い勝負である。

「でもさ、きみの隣に立ってた子も、ワンピースだったじゃん。真っ白の」
「あー、あの子は…
…全部人と違うから」