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Re: 貴方に生を、僕に死を〜コメが欲しいでs(黙れ〜 ( No.76 )
日時: 2010/12/23 13:18
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: ツンデレ何ソレおいしいの?←おいしいよ!!

「違う、て。可哀相なこと言っちゃダメだよ、祐樹君」
「———へ?
今僕何か言ってた?」

ハッと我に返る祐樹。まるで一時的に記憶を失ったようだ。
「んー、覚えてないならいーよ。大したことでもないしねー。
でさ、祐樹君。
あたしが此処に来た理由、実は他にもあるんだ。さて、何でしょー」
「何だろー」
少しノってみる祐樹。にこにこと笑う雨流の後ろ手が気になる。ずっと隠していた、後ろ手が。

「正解はね———きみを殺しに来たんだよ、祐樹君」

そう言ったと同時に雨流の手から放たれるカッターナイフ。後ろの花瓶に当たって、花瓶は砕ける。

———力、強すぎやしないか。
そう思うが、とりあえず、一応冷静になる祐樹。だって此処で騒いだら色んな人の迷惑になるだけで。

「祐樹君、どうして避けるの?祐樹君が避けるから、後ろの花瓶に当たっちゃったじゃない。後で弁償しなきゃだよ」

———その前に僕の命の保証をして欲しい。
「ねぇッ、どうして?あたしじゃダメなのかな、イヤなのかな、ムリなのかな。君の隣は、あたしじゃ失格?」
「何の話———ッ!?」

質問をしようと試みる祐樹だが、まだ装備してあったのか、カッターナイフ、次は持つところが黄色で、シールが張り付けられていた。
祐樹の、顔だけ写ったシールが。

「ッ!?」
思わず声にもならぬ叫びを上げる。
恐い。
『怖い』じゃなくて、『恐い』。

「ねぇねぇねぇねぇ、どうかなコレ?あたし頑張ったの。ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、小学校の時からきみの写真を撮って、それをシールにして、色んなものに貼ってたの」

———恐い。
———恐ろしい。
「古町さんもうやめ「返して!」

最後の「て」が言えなかったっていうのはどうでもいい。
茉梨が、駆けつけて来た。
何処から持ち出してきたのか、こちらもカッターナイフを持って。

「「返す」?何を?きみは解ってるのかな、あたしが何年、辛い思いを乗り越えて、此処まで成長したか」

———ていうか、成長し過ぎだから。
そんなツッコミは抑える。
「知らない。どうでもいいし。私が今、彼を“好き”なの。他人にやるほど私は優しくなんか、ない」
「へぇ、あたしにたてつく気?いいよ別に。だってあたしは強いから」
自信満々に笑顔で言ってから、

「じゃあ今日は久し振りに祐樹君の苦しむ姿が見れたことだし帰ろっかな。ばいばい、祐樹君」
「ッがは!!」
帰り際にそのおぞましいカッターナイフを祐樹の腕に突き立てて、

「プレゼント♪」

出て行った。