ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 貴方に生を、僕に死を〜コメが欲しいでs(黙れ〜 ( No.78 )
日時: 2010/12/29 16:08
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: もうちょっとでお年玉が貰える日だね!!←

ドサリ、と床に倒れ込む祐樹。
「ごめんなさい、私が気付けなかった所為で」
「いいよ、別に。茉梨さんの所為じゃない」
真剣な顔で駆け寄ってくる茉梨に笑顔で返す祐樹。
「それよりさ、茉梨さん、1つ気になることがあるんだけど……

茉梨さんって本当に僕のこと好きな「いやああぁぁぁぁぁああぁぁぁあっぁああぁぁ!!!!」




                           ♪




-病室-
「あ……唯君?」
「あー、アニキ、やっと起きましたかー。オレ2時間近くも待ってたんですよ、茉梨の代わりに」
———てことは茉梨さんと由梨さんは家にいるってことなのかな。

「よ———っと」
「え、アニキ、何やってんすか」
「何って



    退院



だけど?」




                           ♪



あらかじめ唯に頼んでおいた私服に着替え、こっそりと病院を抜け出す祐樹。勿論唯も付いて来ている。

「アニキ、アレ絶対怒られますよ?」
「あんなところに1秒だって長くいられないよ。真っ白で、落ち着かないんだ」

———違う。本当は違うんだ、唯君。
心の中で遠まわしに「ごめん」を言ってから、

「ちょっとコンビニ寄ってもいい?夜ご飯買わなきゃいけないんだ」
そう言って、唯の有無も聞かず近くの「サーヨルK」へ入る祐樹だった。


『いらっしゃいませー』
笑顔の綺麗な若い女店員が挨拶をする。ぺこりとお辞儀をして、そそくさとパンとおにぎりがあるコーナーへと向かう。


『さて、次のニュースです。
先程の夕方5時30分42秒に、○○町に住んでいる上瀬 透夜くん、16歳が殺害されました。警察は只今家宅捜査を行っております』

しかし突然のテレビのニュースが耳に入り、足を止める祐樹。

「……え?」
驚くのも無理はない。

「と……おや君…?」
身体を震わせてテレビの画面を見つめる祐樹。

「あれっ?殺人事件っすか、物騒っすねー、世の中も」
そんな祐樹の状態を見ていないのか、唯はいつもののんびり口調で画面を見る。しかし次の瞬間、テレビ画面には1度行ったことのある家が映し出され、流石の唯も息を呑む。

「あれって——————アニキん家……っすよね…?」

青ざめた顔をしながら震えている祐樹に恐る恐る問いかける唯だが———祐樹は聞こえていないかのように、店を出て行く。

「アニキっ!!?メシはいいんすか!?アニキ!!」

———ああああああぁぁぁああぁぁああ、何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何でなん

「祐樹君、ス ト ッ プ 」『ヒュンヒュンヒュン』
「ッ!!?何だよ、今僕急いで———古町さん…?」

突如祐樹の目の前に立ち塞がり、鉛筆を3本ほど投げてくる雨流がいた。

「あははっ、病院を抜け出して夜遊びなんてさ、おしおきが必要だよねー?」

目茶苦茶にこやかな笑顔で言っているが、目は死んでる。んでもって、手にはカッターやらハサミやら色々。エトセトラ。

「古町さん、悪いんだけど僕今本当に急いでるんだよ。透夜君を「そんな奴どーだっていいじゃん」
笑顔が、笑顔じゃ無くなる瞬間。

ハサミを逆手に構えて祐樹にじりじりと近付く雨流。
「死んじゃったらバイバイなんだから、気にしなくていいじゃん。どうしてきみは他の人の心配ばっかするの?
何で祐樹君はあたしを見てくれないの?
何故あたしから逃げようとするの?
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」

(———あー、こういう奴うざったい。)
(———俺もそう思うだろ、なぁ?)
———別にそうは思わないけどさ、今は少し行かせて欲しいかな、なんて。

「古町さん。僕さ、友人をそういう言われ様されるの大嫌いでね?
あぁ、別に君のこと嫌いになった、なんて言ってないから、そのハサミを下ろしてくれるかな?」
「嫌だ嫌だ嫌だ。あたし だ け を見てくれないと嫌だ。




だからきみを誘拐します♪」