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Re: 戦国の世に生きる・弐(参照100突破! 有難うございます!) ( No.49 )
日時: 2010/11/20 21:21
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第伍話「不穏な動き」

「はぁ……」
結局あたしは牢屋入り。部屋の空きができたら入れてやると言われた。
でも、いつできるの? あたし、もう泣きたい……!!

でも、何か嫌な予感───。あたし、昔から感はいい。

「なぁ、美麗」
廊下ですれ違った美麗に声をかける。
「何だ?」
政義の声に歩みを止める。
「……最近、忍がうろついてやがる」
なるべく誰にも聞こえないように、声をひそめる。
「あぁ……」
最近は私も感じていた。また乱世が始まりそうな、嫌な予感───。

「むぅ……。それは恐らく風魔一族……」
と幸直も話にかたる。
「Ah? 風魔だぁ?」
確か、寡黙な忍者で……。顔を知ってる奴はいねぇとか。
「───」
さて、秀徳にどう説明するかな───。

戦で変えた世に待ち受けるは戦。この鎖は断ち切れぬもの───。

「とりあえず、いつでも軍を動かせるように。2人には今まで以上に厳しい指揮を頼む」
それだけ言い残して、秀徳の所に走って行った。

「秀徳」
「あっ、母上!」
書物を読んでいて、声をかけてもらうまで気づかなかった。
「───また乱世が始まるかもしれない」
そう告げた後の秀徳の瞳は、どこか遠くを見ていた。

「───」
また、日ノ本から平和が奪われる───。