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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる・弐(参照100突破! 有難うございます!) ( No.53 )
- 日時: 2010/11/21 08:45
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第六話「平和崩壊」
「……」
“もう平和ではいられなくなる”その思いが、織田軍を焦らせていた。
「ねぇ、最近、空気が重くありません?」
食事を与えに来てくれた足軽に何の気なしに話しかける。
「えぇ……。また乱世が始まるかもしれませんね」
とそれだけ答え、足早に去ってしまった。
「……乱世!?」
そんな、教科書ではそんな予定ない……。
「また乱世が始まるかもしれねぇ。よって、訓練は厳しくする!」
「サボりは厳禁であるぞ!」
と幸直と政義が喝を入れる。兵士たちはそれに応え、“おーっ!!”と気合を入れる。
「秀徳、お前は城で大人しくしていればいい……」
肩を震わせ、今にも泣きそうな秀徳をなだめる。
「また、たくさんの血が流れるの!? みんなが傷つくの!?」
思わず母上の肩をつかみ、揺らす。
「あぁ……。お前を死なせはしない」
私の肩を揺らす小さな手を握る。安らかなぬくもりがあった。
「……」
荒れる織田軍を木の上で見るのは風魔一族の頭領。
全てはこの小太郎が仕向けたこと。だが、何よりも───
「クククッ、クハハハハッ───!!」
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