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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる・弐(参照100突破! 有難うございます!) ( No.61 )
- 日時: 2010/11/21 17:26
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第拾話「独眼竜」
「───何があったか話してくれるか?」
「───」
コイツにゃ何を隠しても見抜かれる───。
俺はすべて話した。明智に呼ばれて、明智の部屋で茶を飲んだこと。
そしたら、右目が熱くなって、気が付けば見えなくなっていたこと。
ようは、明智に毒を飲まされたこと。
「───悪い、私が───」
私があんな奴を仲間に加えなければ───。誰も悲しむ事はなかった。
「No。アンタの所為じゃねぇ」
こんなのは、誰のせいでもねぇ。アイツただ一人が悪い。
「───」
“政義ならそう言ってくれる───”心のどこかでそう思っていたのかもしれない。
だから、今の私はすごく安心している。
「さぁ、もうくよくよしていられない。いつ攻め入られるか解らないからな───」
そう言って、立ち上がる。なるべく普通に振舞おうとした。
「アンタは逞しいな」
俺も立ち上がる。武芸の稽古でもするか、と思いながら。
「それは……。総大将だからな」
「稽古、付き合え」
一方、亜美は───。
「いやだ!! あの変態さんの部屋なんて、嫌だぁ!!」
「つっ、亜美殿……」
泣き叫ぶ亜美に、困っている幸直だとか。
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