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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる・弐(参照100突破! 有難うございます!) ( No.78 )
- 日時: 2010/11/23 15:06
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第拾六話「風魔小太郎」
「風魔小太郎───!」
進軍路を防ぐように立つ風魔小太郎。小太郎の髪が、風に揺られる。
「ここは私が。皆は明智を目指せ」
と言って、政義を先頭にさせ、軍を引かせる。
「美麗殿、どうかお気をつけて───」
悲しそうな幸直の顔が目に入った。
「私が負けると思っているのか? 私は負けない」
明智に会わずに死ねるわけがない。
「───はい!」
まるで子犬のような人懐こい笑顔で笑うと、幸直を馬を走らせる。
「頑張れよ、ネーチャン!!」
泰親の後ろには元知がいた。元知は強い瞳をこちらに向けた。
そして、言葉を発することなく駆けて行った。
「───さぁ、始めようか」
その声で、まず先制攻撃を仕掛けたのは小太郎。沢山のクナイが飛んできた。
だが、それを跳んで避けると、次は美麗が攻撃する。
暫く、そのような互角の戦いが続いた。
「───」
一方、こちらは城。京子、亜美、秀徳が待機していた。
「亜美ちゃん、落ち着きぃな」
「や、だって───」
さっきから嫌な予感がして仕方ない。
「よしっ───」
と、決意したように動きを止める。
「どうしたの?」
と、秀徳君が無垢な瞳であたしを見上げる。
「あたし、行くよ───」
馬の乗り方とか知らないけど、運動神経いいから大丈夫!
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