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Re: 戦国の世に生きる・弐(参照100突破! 有難うございます!) ( No.79 )
日時: 2010/11/23 15:18
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

第拾七話「助太刀」

「ちょっ、亜美ちゃん!?」
廊下を全力ダッシュするあたしの背中を、ただただ見送る京子さん。

「ねー、一番早い馬ってどれ!?」
まだ荒い息で、馬の見張り番をしている兵士の人に聞く。
「えっ、まぁこれでしょうか……」
亜美様が何故? と言ったような瞳で見てくる。
「これ、借りるよ!!」
想像以上に大きい馬にビビりながら、今更後戻りできないため気合で行く。

「おわぁっ!?」
あたしが背中に乗ったのを確認してから、勝手に走り出す馬。驚いて落馬しそうになる。
「お前、早いじゃん!!」
いや、早いって聞いたけど。凄い早い。まだ乗るのは下手くそだから、ちょっとお尻が痛いけど我慢。
「いっけーぇっ!!」
思ったより楽しい馬乗りにテンションが高いが、勿論この先にある恐怖も知っている。

「中々だな、風魔小太郎───!」
何合も打ち合ったが、勝負はつかない。
「───」
無言で仕掛けられる攻撃の威力はかなり大きい。一撃でも当たれば死んでしまうだろう。

   ヒヒーンッ!!!

聞こえるはずのない馬の鳴き声。
「ん───?」
馬の声がする方を向けば、亜美がいる。
「美麗様! やっぱあたし、ほっとけない!!」
馬から降りて、そこに在る大きめの木の棒を手にする。

「剣道部主将をなめんなぁっ!!」