PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦国の世に生きる・弐(参照200突破! 有難うございます!) ( No.81 )
- 日時: 2010/11/23 20:14
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
第拾九話「届く自信があるのならば」
「うわっ……」
その光景を見て、目をそらした。地面は血で染められ、傷ついた兵士たちが転がっている。
「帰るか?」
辛そうな表情をしている亜美。
「ううん……」
でも、あたしは進む。だって、少しでもみんなといたいから……。
「クク、ハハハ───ッ、どちらの知略が上か……」
フフ、ハハハッと笑いながら、両手を上げる。すると、弓兵が大量に現れた。
「その程度では我に勝てぬ」
と言って、巨大な砲筒で攻撃する。すると、弓兵のほとんどが死んでしまった。
「おや、中々ですね……」
元知殿の後ろには見なれた顔。幸直殿、政義殿、泰親殿。ですが、美麗と亜美殿はいない。
「覚悟せよ」
と、次は中国の古代の兵器、連弩に似たようなもので攻撃する。
「ぐっ───」
一本の矢が、心臓の下の辺りに刺さる。光好は、傷口を押さえて蹲る。
「美麗、美麗は───」
美しい黒髪の間から、右目だけをのぞかせる。その顔は恐ろしかった。
「美麗───。どうか───」
震える膝で立ち上がり、元知達の横を通って進む。
「美麗───。美麗───」
恐ろしいほど見開かれた瞳。
「光好───?」
美麗は、その姿を見て驚く。
「あぁ、やっと会えました───」
PR