ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: さまよい続ける魂 ( No.20 )
- 日時: 2011/05/13 17:30
- 名前: サファイア (ID: wxZ0SJGK)
Ⅱ終わらないかくれんぼファイル3
ガチャ…
今私たちは旧校舎の中にいる。犯人を見つけるため。
本当に…いなくなってしまったの?朱音…
またひょっこり話しかけてはくれないの?
もう、この空の下にはいないの?
私の中には色々な感情が入り交ざっていた。
「こんな所にいたんですか、城川君。」
え、しろ…か…わ…?
私たちの前には紛れもなく城川がいた。
「あ〜あ見つかっちゃった。」
「なんで…こんなところに?」
意味が分らない…
そんな葵を無視して睦路は話し続けた。
「あなたが犯人ですね。」
は?私の思考回路は停止した。
「そうだよ。」
(お前数を数えろ。100までだぞ。)
作者)()は小声です!
(は!?なんで数えないといけないんですか。)
(…友達のお前が見つけてやれ。)
あぁ…そうか、そうだね朱音。私が見つけてあげる。寂しい思いをしないように…
「クス…彼女には悪いことをしたかな?」
たくっ…薄気味悪い奴め。
「さて…あなたに話しましょうか。」
「何をだい?」
惚けやがって…
「秋本朱音の事ですよ。」
「あぁ、彼女ならそこのカーテンにいますよ?」
「君が殺したのか?」
「…は?僕は殺してなんかない!」
「ではなぜ彼女は…」
「僕は後から楽しむためにさらったものを殺すことはない!」
「そんなに否定するなら自分の目で確かめてみればいいでしょう。」
シャ…
「っ…!」
そこには赤い海が広がっていた。
そしてその中心には秋本朱音が横たわっていた。
「14歳という年で2週間の監禁に耐えられると思っていたんですか?」
「…ふふふ、これはこれで都合がいい。」
47…48…49…50…
私は50まで数え終えた。
「僕は殺してなんかいない。勝手に死んだだけだ。」
こいつ頭大丈夫か?
「これで僕だけの物となった!」
57…58…59…60…
「聞こえませんか?カリカリという床を引っ掻くような音…」
カリカリカリカリ…
「これがなんだ?」
「見つけてほしいんですよ。だから音を立てている。」
「そんなわけないだろう。彼女はそこで死んでいるのだから。」
97…ヒック…98……99………100
「もういいかい…」
私は言った。すると…
『もういいよ』
そうかえってきた。
「そんなはず…っ…!」
カーテンのうしろには秋本朱音がいた。
真っ赤に制服を染めて…
「朱音…?」
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
城川は叫びながら旧校舎を出て行った。
「朱音なの?」
私は朱音の頬を思いっきりつねる。
「触れる!」
「痛いって…」
朱音が生きてる!!!!
私は夢中で飛びついた。
「これにて『終わらないかくれんぼ』お終い…」
