ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: さまよい続ける魂 ( No.21 )
日時: 2011/05/14 17:06
名前: サファイア (ID: wxZ0SJGK)

Ⅱ終わらないかくれんぼ〜その後〜

「先輩!なんで朱音が生きてること教えてくれなかったんですか!」

「鬼が探す奴の生存を知っていてどうする。」

確かに!確かにそれが正論なんだけども…

「だからって…」

「それに俺は秋本朱音が死んだとは1回も言ってないぞ?」

あ…確かに言ってない。

「だが結局朱音ちゃんは明日から学校に行くしこの怪談も終わりか。」

先輩は残念そうに朱音を見た。

それに対して朱音は苦笑いしかできない。

「でも…朱音を見つけてくれて有難うございました!」

「俺は好きでやっている。」

「そういえば…あのカリカリいってたやつって何だったの?」

さすがの朱音も気になっていたようだ。

「これ。」

そう言い先輩はジャーキーを取り出した。

「あぁ!!!!」

なるほど!これで納得。

ジャーキーで茂吉をおびき出して、床にはさんどけば掘り起こそうとして音がなるのか!

「君はいちいちうるさい。」

先輩は耳に指を突っ込んでうるさいとアピールした。

この人にはデリカシーがないのか…

「じゃあ、有難うございました!」

「まて。」

…なんで?

「俺がなんの見返りもなしで助けてやったと思うか?」

いや思ってないけど。

「お前は今日からネタを持ってこい。」

はい?只今私の思考回路は止まっている。

「怪談のネタだ。」

「ちょっと!そんなの聞いてない!朱音もなんか言ってやってよ!」

私が朱音に助けを求めると…

「何かやってもらったらお礼をするのが道理じゃない?」

親友よ…見捨てないでくれ!

私たちはちょっと変わった出会い方をしたけれど、迷うことなく運命の歯車は回っている。

  Ⅱ終わらないかくれんぼ  END…