ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: さまよい続ける魂 ( No.29 )
日時: 2011/05/18 22:09
名前: サファイア (ID: wxZ0SJGK)

Ⅲ真見子桜ファイル4

ガサガサ…

ビックゥ!

「あれは…坂井先生?」

坂井先生何やってんの…って本当に何やってんのぉぉぉぉぉ!

葵が見たのは今にも自殺する勢いでロープを首にかけた先生の姿だった。

「先生!何やってんですか?!」

「日向さん!…私には生きる価値がないんだ。」

はい?!どういう意味ですか…

「私は一人の生徒を死に追い込んだ。否殺した。」

!殺した…?

「ひぃぃぃ!!すまなかった!許してくれ!」

!振り返ったらそこには三つ網の少女が桜の陰に居た。

先生は四つん這いになりながら逃げて行った。

「あ〜あ、あともうちょっとだったのに…」

そう言って桂をとった人は2−Cの早乙女君だった。(名字だよ)

「なっ早乙女君!」

「いい演出じゃないか早乙女君!」

いつの間にいたの先輩…

「君は早乙女真見子の孫だね?」

嘘?!ここで自殺した?

「そうだよ。もともと顔は似てたしね。」

「なんでこんなこと…」

「君の事だから復讐ということではないんだろ?」

「そうさ、僕も描いてみたかったんだよ!完璧な絵を!」

「あの先生は自らの生徒を自殺に追い込んだ!だから俺も奴を殺して完璧な絵を描いてみたかった!」

おかしいでしょ…

「いいや彼女は自殺じゃない。」

先輩?

「じゃあなんだ?殺されたとでも?」

「彼女もまた完璧な絵に理想を持っていた。」

「何が言いたい…?」

「彼女はきっと知っていたんだな、完璧な構図を…」

「そう…誰かが死なないと完成できないということを…」

まさか…!

「おいおい…自ら命を捨てたのか?たかが絵に?しかも自分は描けないじゃないか?!」

「だから『こっちを見て…』なんですよ…」

キィ…    キィ…    キィ…

「そんなはずないだろ?!」

キィ…    キィ…   キィ…

「やけにロープの軋む音が大きいとは思いませんか?」

「そんなはず!」

コツン…

そこには『早乙女真見子』と書かれた靴があった。

「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

早乙女君は叫んでどこかへ行ってしまった。

「先輩…彼は何か見えたんですか?」

「さあな…」


「これにて『真見子桜』お終い…」

 真見子桜           〜END〜