PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ◆吸血鬼のパズル◆ ( No.2 )
- 日時: 2010/11/20 10:51
- 名前: ふぐきまぢ (ID: nc3CTxta)
第一話「こんにちは、吸血鬼ですです」
空は赤と黒が混じった、奇妙な色をしている。
つたが這っている古びた館が何百個も並び、道には当たり前のように人骨らしきものが落ちている。
鳥の代わりにこうもりの高い鳴き声。
生ぬるい風。どこか生臭い。
まぁ、典型的な魔界の姿だよね。
そんな道を、楽しそうに二人の子供が歩いている。
時々にやりと頬を持ち上げると、鋭くとがった八重歯が見える。
背中には小さな小さな悪魔の羽根。飛ぶということはなさそうだ。
「ニンゲンカイ・・・?」
「そーそー!!この上にあるんだって」
「このって・・・魔界の?」
「うん」
普通の子供らしい無邪気な声で、普通の子供らしくないことを喋る。
一人の子供は首をかしげ、もう一人は両手を組んで目を輝かせている。
二人の名前を、パビリアとシムといった。
ちなみに言うと二人は『吸血鬼』_______ヴァンパイアである。
血を吸う鬼。生血を飲んで生きる人間外のもの。
髪の毛の色が二人とも、魔界の空のように、血のように赤黒いのが印象的だ。
顔立ちは大変可愛らしく、黙っていればどこかの国のお人形さんのようだ。
「そういえばこの前捕まえた『人魚の歌姫』の血が美味しかったなぁ・・・」
「え?聞いてないよパビリア〜」
「そんなこというシムは『最強の黒魔女』の血を飲めたんでしょ?」
「うん、怖かったけど・・・」
「いいなぁー、パビリアも飲みたかった。」
・・・黙っていれば、ね。
第一話 とりあえずEND
PR