ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 脳内アリロッド ( No.13 )
日時: 2010/11/25 19:29
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)




「おい、土川———」
そう土川に声を掛けようとしたが———
『グオァァッ!』
生命物体が土川を飛び越え———僕目掛けて跳んできた。
「うわっ!?何で僕!?そこは普通こいつが土川を襲って、それを僕が庇って大怪我して———そこで少し温かい空気になる筈なんじゃ…ッ!?」
「てめぇ、妄想するくれぇなら逃げろよ!!」
「いや、もう無理!!土川、お前だけでも逃げて———!!」
そう言って、僕は目を瞑る。そして、拳を握り、『死』を覚悟した。どうせ僕なんて要らない存在だから。誰も僕を必要としない。それどころか、僕が死ねば喜ぶ人だっているから———サァドウゾ、ボクヲソノテデコロシテ。
「———————————ッ」
『グァァァァ…ァ…??』
目を瞑ってから20秒程度。何も感じない———否、『恐怖』を感じていた自分の心が、少しずつ溶かされ始めた。恐る恐る目を開いてみる。
「やっほ、宝木ちゃん」
少し聞きなれた女子の声がした。
「……???お前———は…!!!」