ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 片腕の魔術師 ( No.5 )
日時: 2010/11/21 20:18
名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)

第一話 風に揺れる右袖

2010年。場所は東京。
私「雪森 真理」は其処で人に見つからないように細くて狭い路地を通っていた。
もっと言うと手から青白い炎を出しながらある人物を探していた。
ちなみに今私が使っているのは「魔法」。
魔力を具現化させてこの炎を出していている。


「この辺に居るって、聞いたのになぁ……」


私は溜息を着いてその場に座り込む。探している人が全く見つからない。
と言うか此処に居るのかさえ分からない。多分居るらしいけど。すると突然後ろから溜息が聞こえた。


「私なら先ほどから此処に居たが?」


「うわぁっ……って、すいません……」


びっくりする私を見ながら腕を組んで呆れる女性「シア・レイサート」さんは私を見つめていた。
彼女の白金色の長い髪が暗い路地で光るかの様に輝いて見える。多分、男なら見惚れているだろう。


「この辺にはアレは居ませんでしたよ」


「そうか……いや、私の方も全く同等だ」


シアはそう言いながら手を口に当てて考えている仕草を見せた。アレについては今は触れない事にする。
またシアの白金色の髪が揺れたかと思うと顔を上げてまた私を見ていた。


「武器を持て」


はい? と思わず聞き返してしまった。けれど彼女は突然ブワッと言う擬音が付きそうな程殺気を出す。
そして乱暴に人差し指を上に上げた。


見えるのは、一人の人影。私達を見下ろしている。


「さてさて、今宵は紅い夜にでもなりそうだな」



そう言った人影「ウェル・サーヴァント」。私は彼を見てもう一度シアを見てからお互い頷きあって武器を出す。シアは細身の長剣。私はライフル。


そして、彼の居る建物の上へと一瞬で飛んだ。