ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 片腕の魔術師 参照100突破しました! ( No.33 )
- 日時: 2010/11/23 20:39
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
いつだって思い出す、あの微笑みを。
いつだって思い出す、あの思い出を。
いつだって思い出す。
いつだって、いつだって——————
痛みの衝撃で目を覚まし、雪森真理は目を覚ました。目を開けた瞬間に金髪が目に入る。
とりあえず私は痛みを堪えつつ目を覚まして、体を起こす。斬られた肩に包帯が巻かれていた。
消毒液の匂いと、白いベッドと薬品棚で此処が私達魔術師のアジトの仮眠室だと知る。
ちなみに魔術師のアジトとは……まぁ、意味はそのまま魔術師達の集まるアジトです。
ウェル・サーヴァント。もとい元々“裏切り者”であった彼を倒すために集った魔術師達のアジト、です。
ふと視線を右に向けると、私の隣にあったベッドで寝ているシアが目に入る。シアも無事そうだった。
良かった……と胸を撫で下ろしながら少々痛んできた傷を撫でる。
すると、オールバックの金髪「ラオシャニートイフェル」ドイツ語で気まぐれな悪魔と言う二つ名を持つ魔術師、エンドリューは心配そうな表情を見せた。
大丈夫だと私が微笑んでも心配そうだった。
「大丈夫か? ……アイツと二人で挑んだと報告では聞いたが」
全く持ってその通りです、はい。苦笑しつつも肯定の意味で頷いた。案の定帰ってくるのは苦笑。
そう、ある意味無茶な行為だったのだ。たった二人で彼に挑もうと言うのは。
普通は4〜5人で挑むものなのだけれど、今回は任務続きでろくに寝てなかったので判断力が鈍ったと言うか、ハイになったと言うか……
結果、魔術師の中でトップクラスの実力を誇るシアと風魔法の中でトップクラスの実力を誇る私でもこてんぱんにやられて帰って来たと言う訳です。
いやぁ、恥ずかしいな……と心の中で呟きながら再度苦笑する。
するとドアのノックが聞こえた。私とエンドリューはお互い頷くと扉を開けた。
入って来たのは「黒き魔女」の二つ名を持つ悪魔と契約している魔術師スプリング・グリーンだった。
「あ……話の取り込み中だったアルか?」
中国語の良く使われる(?)語尾を使いながら話してくるスプリングに私は微笑んで首を横に振る。
するとスプリングはホッとした表情になったかと思うと私とエンドリューに一枚の紙を差し出す。
何の紙かと思って見れば、それは作戦指示の紙だった。一枚の紙片に文字がびっしりと書かれている。
ちなみに魔術師の集い……通称「栄華を誇りし魔術師」は皆、作戦を中心にして動く。
その方が咄嗟の判断を迫られ焦る事も少ないし、周りの状況を察しやすいからである。
とりあえずスプリングにお礼を言うと、スプリングは微笑みながら仮眠室を出た。
……ふと、またシアの方を見てみる。
「……あれ?」
シアは、泣いていた。