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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜SUPER WORLD〜 ( No.1 )
- 日時: 2010/11/27 20:56
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
第1話【超能力を持つ男】
2015年 春___
年月が経っても、経っても、世界に大きな変化はなかった。
“2012年に世界は滅ぶ!?”
マヤの予言でそんな大騒ぎも起こったが、結局何も起こらず、3年の月日が経った。
人間は日々、同じ動作を繰り返して行く。それが日常であり当たり前だった。
だが、あの男だけは違った。
特別だった──────
**********
東京都 世田谷区
桜で鮮やかにされた道を歩いて行く学生服の青年。
彼の名前は「神藤ホタル」。変わった名前だが、本人は好んでいる。
「帰ったら試験勉強だな〜ぁ……」
ホタルはため息交じりに言うと、空を見上げた。
白い雲、オレンジ色の太陽、青い空____
空にある色は3色だけ。
ホタルは‘色’という物が好きだった。友人や家族、他人を見ると何色なのかを決める。
変わった癖だ。
更に、ホタルには変わった力が身についていた。
「空き缶……ゴミ箱に捨てろよな!!」
ホタルは道に落ちていたジュースの缶を見つめ、ゴミ箱に視点を変える。
その瞬間、空き缶は空を舞い、ゴミ箱の中へと勝手に入って行った。
いや、
これはホタルのテレキネシスによるものだった。
ホタルは生まれながらにして、念力を使うことができる。
それも、触れずに物体を動かすことができるのだ。
ただ、対象物体を数秒見つめ、動かす場所に視点を一気に変える。
操作はこれだけ。
集中すれば、いつでもできるのだ。
「さてと、早く帰ろう....」
ホタルは背伸びをすると、自宅へと急いだのだった。
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