ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜SUPER WORLD〜 ( No.23 )
- 日時: 2010/11/28 22:32
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
- 参照: http://タイトル変えました……頑張るぜぃ!!!
第9話【神崎空也】
月曜日
小金井と神隠しの件で、やはり月曜日は盛り上がっていた。
ホタルが教室に行くと、生徒たちは神隠しの話題で盛りがっている。
「しっかし、小金井先生が犯人とはね〜ぇ。」
「マジ最悪。ちょーキモい!!」
「ほかの先生とか、大丈夫………だよね?」
ホタルは席に座りながら、この事件解決についてのメリットを考えていた。
恐らく、先生に対しての生徒の視線は変わっただろう。
更に、保護者の怒りや文句も買ってしまったであろう。
ホタルはそんなことを考えながら、ある言葉を思い出す。
─「まさか、‘あいつ’以外の超能力者がいるとは……驚きだな」─
小金井の言葉は、何度思い出しても衝撃的だった。
奈央、ホタルの他にも超能力者が華光高校にいるのだから。
「にしても、奈央遅いな……」
ホタルは時計を見ながら呟いた。後10分ほどでHRが始まる。
だが、奈央はまだ来ていない。
ホタルは奈央の席である隣を見て、首を傾げた。
**********
一方、奈央は華光高校の近くを流れる泡美川に架かる橋の下にいた。
奈央の目の前には、学ランのボタンを全て外し、ダラけた表情を見せる神崎空也が立っていた。
「何?」
「いやぁ〜さ!!君が噂の転入生?可愛いね〜ぇ。告白したくなっちゃうよ。」
「………」
奈央は目つきを変え、空也の顔を睨みつける。
すると、空也はケラケラと笑いながら、持っていた鞄を地面に置いた。
「あんた、一体何なの?」
「俺は野球部のピッチャーだ。まぁ、‘病気’持ちのな!!!」
バリバリバリ!!!!
空也は語尾を協調させ、両手から緑色の電撃を繰り出してきた。
「なっ!?」
奈央は突然の出来事に驚き、横に飛び込んで避ける。
だが、空也はすでに奈央が避けた先にいた。
「‘電速’……速いだろ?」
空也は攻撃することなく、不気味に笑い続ける、奈央はその隙に後ろへ下がった。
「超能力者……、まさか2人も……」
「2人?…あぁ、生徒会のあいつのことかな?」
空也の言葉に、奈央は「しまった」という表情を見せた。
「神藤ホタルも超能力者か。」
空也は笑いながら言うと、右手を奈央の方に向けた。
“スパーク”
空也が一言つぶやいた瞬間、右手から広範囲に電撃が繰り出された。
「うぐっ…ボディチェンジ!!!」
奈央はすぐ様、体を炎に変え、電撃を交わした。
空也は奈央の能力を見ると、不思議そうな表情で見つめる。
「炎か。面倒だな。」
2人は一旦睨みあいに入ったが、遠くから聞こえる学校のチャイムの音で我に戻った。
「ま!!この続きはいつでもできるしね。」
空也は笑顔で言うと、地面に置いていた鞄を持って後ろを振り向いた。
「神隠し、頑張って犯人見つけろよ〜ぉ。」
「犯人はもう捕まったわ。小金井よ。」
「あいつは犯人じゃないよ。残念だったね。」
空也の言葉に、奈央は唖然とした。
空也は奈央を方を向いて微笑み、そのまま学校へと走って行った。
「小金井が犯人じゃない…?……神隠しはまだ終わってないの?」
奈央は悩んだが、鞄を持ちなおして学校へと急いだのだった。