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Re: 〜SUPER WORLD〜10話までUP ( No.26 )
日時: 2010/12/01 17:36
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
参照: http://期末テスト面倒くさい(;一_一)

第10話【超能力者テロリスト集団‘ALICE’】


東京第1国立病院  建設地


世田谷区の外れに、建設中の国立病院はあった。しかし、周りは灰色のビニールシートで隠されている。
7階建てで、すでに建物自体は完成していた。
現在は工事をしてないらしく、ただひっそりと、創りかけの病院は佇んでいた。


1階


中に入ると、床は青いビニールシートで覆われ、壁はペンキの塗りかけで雑になっていた。
受付の前にある数十席の椅子の一つに、腰を駆けている男性がいた。

「遅いぞ。‘五帝’という自覚を持て!!」

男性の前に現れた、息を切らした若い男性は必死に息を整えている。
「すいません……ネイラー先輩……」
ネイラーと呼ばれる男性は、赤い髪を掻き毟ると立ち上がる。
ネイラーの後ろには、4人の人影があった。

「まぁ、いいんじゃない?」

「オイラはもっと厳しくした方が良いと思うよ。」

「……どうでもいい。」

「ひっひっひっひっ……。」

4人は若い男性を見ながら、それぞれ思っていることを口にした。
ネイラーは不気味な笑い方をしたノートンを見ると、冷たい眼差しで睨みつけた。
「元はと言えばノートン、貴様のせいでこの餓鬼が五帝に入るはめになったんだ。どうしてくれる?」
「いいじゃねぇかぁ。‘6人目の皇帝’……良い響きだねぇ。」
ノートンは不気味な笑みを浮かべ、隣にいたジャージ姿のスペンサーを見た。
スペンサーはサングラスに真っ黒なジャージ姿で、ウエーブヘアーで決めている。

「こっちを見るな。穢れるだろうが。」

「ひどいなぁ。お前ぐらいしか、ネイラーの怒りを収めきれんぜぇ。」

ネイラーはノートンの言葉が耳に入り、一瞬だけ表情が強張った。しかし、すぐに冷静さを取り戻した。
「とりあえず、アリス様が戻り次第に計画を立てるぞ。目標は、“華光高等学校”だ。」
ネイラーの言葉に、瓜二つの顔をした若い女性2人が首を傾げた。

「「高校?なんでまたそんなところを?」」

双子であるアルマとローズは、声をそろえてネイラーに聞いた。
2人は全く瓜二つであり、見分けるには髪の色しかない。アルマは黒髪で、ローズはオレンジ色である。
「どうやら、あの高校には超能力者が多く集っているらしい。襲撃して、超能力者を仲間にするぞ。」
「そんな簡単に行くのか?」
スペンサーの言葉に、ネイラーは大きく頷いた。



「超能力を持っている人間は、普通の人間と偏った思考を持っている。簡単に悪の色に染まるさ。」



ネイラーはそう言うと、若い男性に近づいた。
男性は制服を着ており、胸に華光高等学校の校章が付いていた。
「忍田紫苑。貴様、裏切ったりすれば容赦なく殺すからな。」
ネイラーの言葉に、紫苑がビクリと体を動かし、何度も頷いた。



「超能力者テロリスト集団‘ALICE’、これより華光高等学校を襲撃する。」