ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜SUPER WORLD〜 ( No.41 )
- 日時: 2010/12/05 17:14
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
第13話【ネイラー vs 荒城蓮】
B棟 屋上
アルマの瞬間移動で、ネイラー、ローズ、アルマは屋上に現れた。
屋上は落下防止のフェンスが張られ、屋上の出入り口が3人の目の前にある。
「さっきの爆発……忍田がやったようだな。」
ネイラーはフェンスに近づき、向かいのA棟の1階を見る。
生徒会室前の廊下窓は全壊し、廊下には人ごみができていた。
「私たちは先に行くから。」
「オイラも姉貴と先行くよ!!久々の学校だぁ♪」
アルマは笑顔を浮かべながら、遊び半分でローズと共に校舎へ侵入した。
「……俺も行こう。」
ネイラーが呟き、振り向いたその時だった。
「おいおい……あんたら何者?」
ネイラーが上を見上げると、給水タンクの上に座っている男子生徒がいた。
目つきが鋭く、癖毛に学ランのボタンを全て外している。
「私は工事関係者の者だよ。じゃあね。」
ネイラーは微笑み、屋上の出入り口へ向かおうとする。
「嘘つくなよ。さっき瞬間移動で屋上に来ただろうが。」
男子生徒はそう言うと、給水タンクから飛び降りて、屋上の出入り口に着地した。
ネイラーは男子生徒の言葉を聞き、大きなため息をつくと表情を変える。
「俺は荒城蓮。あんたやさっきの女共は何者だ?」
「……ネイラー。一般市民の餓鬼とはいえ、超能力者を見たからには生かしておくにはいかない。」
ネイラーはそう言うと、両手から白い冷気を出し始めた。
蓮はネイラーの両手を見ると、大声で笑い両手を出した。
すると、ネイラーと同じく両手から冷気が出始めた。
「俺と同じ氷結か、面白いじゃん!!」
蓮はそう言うと、手、腕、肩を自身の能力で凍らせた。ネイラーは首を傾げて蓮を見る。
「氷でコーティングした手だ。鉄も粉砕するほどの強度だ。」
蓮は戦闘態勢に入り、ネイラーの攻撃を覗う。だが、ネイラーは不気味に笑うと蓮を見た。
「俺がお前と同じ超能力の氷結?呆れたぞ……」
ネイラーは右手の平を蓮に向けると、ニヤリと笑う。
「俺の超能力は“寒冷”。氷結と同じにするな。」
言い終わったと同時に、ネイラーの手の平から猛吹雪が蓮を襲った。
「んなっ!?」
蓮は驚き、負けじと両手から吹雪を繰り出す。
「なめんなよっ!!俺の方が最強だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
蓮が叫んだ次の瞬間、ネイラーの吹雪攻撃が止んだ。
蓮も吹雪攻撃を止めて辺りを見渡す。だが、ネイラーの姿はない。
「逃げたか……俺の力に恐れ入ったか……はっはっはっはっは!!!!」
バシャァァァァァァ
「ぐあっ!!!」
蓮が大笑いした瞬間、上から大量の水が蓮を襲った。
蓮は突然の出来事で足を水で滑らせ、勢いよく顔面からこけた。
「まだまだ餓鬼だな。やっぱり……」
消えたと思っていたネイラーは、給水タンクに穴を開け、蓮に水を被せていた。
「て、てめぇ!!!」
「フローズンエアー!!!」
ネイラーは飛び降り、両手から猛吹雪を繰り出した。
「効くか・・・なっ!!!」
蓮も反撃しようとしたが、ネイラーの攻撃で水が凍り始め、通じて蓮も凍り始めた。
「荒城蓮、戦うなら技だけではなくフィールドも使うんだな。」
「おま……ふざ…け…………な…………」
蓮は言い終わる前に、完全に凍りついてしまった。
ネイラーは立ち上がると、凍った蓮を見て笑う。
「心配するな。時間が経てば溶ける。生死には関わらない。」
ネイラーはそう言うと、平然とした表情で屋上を後にした。