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- Re: 〜SUPER WORLD〜14話UP ( No.45 )
- 日時: 2010/12/07 18:05
- 名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)
第15話【鏡の中の戦い】
「うわっ!!!」
ノートンに引っ張られ、ホタルは水道の鏡から鏡の中へとやってきた。
鏡の中の世界は、現実世界と何も変わらないが、風景が微妙に暗く誰もいない。
「ど、どうなってやがる…………」
「ようこそぉ、鏡の世界へ。」
ホタルが振り向くと、そこには“偽帝”ノートンがヘラヘラ笑いながら立っていた。
ホタルはノートンを睨みつけ、周りを警戒しながら質問をぶつけた。
「ここはどこだ……?どうなってる?」
「俺の能力はぁ、鏡の世界と現実世界を行き来できる能力だぁ。ただぁし、現実と鏡の世界を繋ぐ出入り口は1つしかなぁい。それを知っているのはぁ、俺だけだぁ……俺を倒せるかなぁ?」
ノートンの言葉で、ホタルは水道の上に設置された鏡に触れる。
しかし、鏡には何も変化はない。
「お前は誰だ?一体、何が目的だ?」
「言う必要はなぁい……とりあえず、お前超能力者だろぉ?俺らと一緒に来ないかぁ?」
「なっ!?」
ホタルはノートンの言葉を聞いて一瞬だが言葉を失った。口をポカンと開けている。
「俺たちは超能力者を探してぇ、この高校にきたぁ。この高校には、やけに能力者がいるからなぁ。」
ノートンはそう言うと、腰から拳銃を取り出してホタルに向けた。
「俺に攻撃する力はなぁい。だから、これでお前を脅すぅ。俺らの仲間になれぇ……」
「ふざけんな!!!」
ホタルは叫び、ノートンの拳銃を見つめた。すると、テレキネシスで拳銃はノートンの手から離れた。
「お!?どうやってやったぁ……?」
ノートンは笑いながら後ろに下がると、ホタルの目を見つめた。
ホタルは拳銃を廊下に捨てると、ノートンを睨みつける。その瞬間、ノートンは後ろに吹き飛ばされた。
「うぐっ……念力……かぁ…」
ノートンは軽快な身のこなしで着地すると、近くにあった箒を手にした。
「さっきのは冗談。俺には攻撃できる術があるぅ……鏡の世界だけしか使えない技だけどなぁ。」
「ウェポン・ミラー ver.スピア」
ノートンが持った箒は、見る見るうちに変形していき槍の形となった。
ホタルは一瞬唖然としたが、すぐに槍を見つめてテレキネシスで弾こうとした。
その瞬間だった。
「うわっ!!!」
槍を見つめた瞬間、ホタルが後ろに飛ばされ廊下に叩きつけられた。
ノートンは不気味に笑うと、自信たっぷりな表情で説明を始めた。
「この武器は簡単に言えば武器であり鏡、それがウェポン・ミラーだぁ。この武器をテレキネシスで弾こうとしてぇも、それは跳ね返り貴様に当たるぅ。まぁ、鏡の世界内限定の技だがなぁ!!!」
ノートンは槍を持ったまま走りだし、倒れているホタルに槍を振り上げた。
ホタルは一瞬目を瞑ったが、この瞬間にあることを思い出した。
ホタルが目を開いた時には、槍はすでに振り下ろされていたが、ホタルは勝利に笑みを浮かべた。
「武器に効かなくても、お前自身に効くだろう!!!」
ホタルがノートンを見つめると、ノートンは槍を持ったまま後ろに吹き飛ばされた。
「ぐっ……さっきのことを思い出したかぁ……」
ノートンは槍を持ちなおし、ホタルを睨みつける。
「なぁらばぁ、俺の最強の技を見せてやるぅ……」