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Re: 〜SUPER WORLD〜16話UP ( No.48 )
日時: 2010/12/09 17:17
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

第16話【神鏡“夜楽鏡”】


ノートンは手のひらを合わせると、ホタルを見て不気味に微笑んだ。
「この技を使うのは、お前で2人目だ。驚嘆し、絶望し、泣き喚くがいぃ……」
ホタルはノートンの行動を見て後ろに下がり、いつでもテレキネシスで跳ね返せるように集中する。
「これが俺の必殺奥義ぃ……」



「神鏡“夜楽鏡(やたのかがみ)”」



ノートンが両手の平をホタルに向けた瞬間、ホタルに眩い発光が襲いかかった。
「うわっ!!!」
ホタルは目を瞑り、手で光を遮り目を開こうとする。
だが、視界は白く光が未だに眩く発光している。
「くそっ……」


「お前の負けだぁぁぁ!!!!」


「ぐはっ!?」


ホタルが目を瞑っている間に、ノートンがホタルの腹を蹴り飛ばした。
ホタルは壁に叩きつけられ、頭を廊下に強打する。
「痛って………え……?」
ホタルは目を開けた瞬間、ようやく自身の異変に気付いた。
目を開けたのに視界が真っ暗なのだ。今の攻撃のせいではないことは分かる。
「どう……して…………」
「やっと気付いたかぁ。“夜楽鏡”は俺しか使えない最強の技。視力を一定間だけ奪うことができるぅ。」
ホタルの耳にノートンの説明は聞こえるが、ノートンの姿はどこにも見えない。


この瞬間、ホタルは感じたことのない恐怖と絶望を感じた______


視界を失ったことにより、恐怖感が一気に増し、死ぬと確信した絶望感に襲われた。
ホタルは涙を流し、手探りで後ろに下がる。が、すぐに壁に当たった。
「残念だったなぁ。餓鬼であろうが、お前は殺すよぉ。」
ノートンのその言葉で、ホタルは目を閉じて覚悟を決める。
目が使えなければ、テレキネシスも使えない。
反抗、攻撃、全てができない。



「あばよぉ……神藤……ホタ……」



ノートンの言葉が途中で止まり、ホタルは不思議に思い動きが止まる。
と同時に、ホタルの視界が戻った。
「え?え?……なに?」
ホタルは立ち上がり、周りを見渡すがノートンの姿が見当たらない。
何が起こったのか、ホタルは理由が分からなかった。
「あっ……」
ホタルがふと、水道の上に設置されてある鏡を見ると、鏡が不自然に光っている。
「戻れるかも!!急ごう!!!」
ホタルはすぐに走りだし、水道の鏡に触れる。すると、ゼリーを触るようなグニャという感触が伝わる。
「戻れる!!……けど……」
ホタルは辺りを見渡し、再度首を傾げた。
確かにノートンはホタルを殺す寸前まできていた。視力を失っても雰囲気で分かる。

だが、そのノートンは突如姿を消し、鏡の世界から現実世界へと繋がる出入り口が現れた。

「と、とりあえず戻ろう。急がないと!!」
ホタルはそう言うと、大急ぎで鏡に飛び込み、現実の世界へと戻った。


**********


「うっ……ぐっ……………」


突如、ホタルの前から姿を消したノートンは、なぜか2階の廊下で倒れていた。
「なんだぁ…一体何起こったぁ……」
ノートンが立ち上がろうとしたその時だった。


ズゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!


ノートンの頭上から突然、謎の男性が現れてノートンの顔面を床に叩きつけた。
「ぎゃっ!!!」
その瞬間、ノートンの鼻は折れ、前歯が2、3本吹き飛ぶ。

「哀れ、俺、無敵。」

謎の男性はそう言うと、ノートンの顔を鷲掴みし、壁に叩きつけた。
「がっ……や、やめ……てぇ……」
「お前、弱い、能力、使えてない。」



「死ね。」



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