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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ───呪い殺し。(オリキャラ募集にご協力お願いします!) ( No.50 )
- 日時: 2010/11/25 21:10
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
其の伍「嘘ノ魔女」
魔女の館は森の高く、奥深くの所にある。
崖にその館は立っていて、青白い月をバックに不気味に輝いている。
ギィ、と音を立てて開く扉。まるで地獄の入口のようだった。
カツン、足音を立てて館に入る。
───バサッ!!
「きゃっ!!」
羽ばたく音がして、一気に蝙蝠たちが飛んでいく。
「これさ、懐中電灯くらい持って行った方が……」
真っ暗で足元も覚束ない。前は見えないし、はぐれてしまったら大変だ。
「ねぇ、帰ろうよ───」
と言ったのは雛さん。暁君の腕にしがみついていた。
「はぁ? そんなこと言うなら1人で帰れば?? 誰も付いて行ってあげないよ」
と言うのは蜜柑。リーダー的な存在になっている。
「っ───」
雛さんは渋々進む列について行った。
真っ暗で、血生臭くて。時々足元に引っかかる“ソレ”は何なのだろう。
「───」
蜜柑は、ある場所で止まった。暗闇に目がなれてきて、何かを見つけたのだろうか。
蜜柑の視線の先には、不敵に笑う肖像画。
暗闇でよく見えないが、瞳らしき部分は血のように赤々と輝いていた。
「───これが、清神島に奉られている魔女───」
と、呟くように言うのはハーヴィーさん。
「うわっ!?」
突然頭上のシャンデリアが光り、今まで暗闇だったそこは明るくなる。
そして、暗い方が幸せだったであろう光景が広がった───。
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