ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

其の六「偽リノ魔女」

「ひっ───!?」
所々に散らばる死体。それがただの死体ならまだしも、かなり惨殺された死体ばかりだった。

目玉のない死体、手足のない死体、舌のない死体、爪のない死体。
腐った死体、腐りかけの死体、白骨化した死体───。

かろうじて首の残った死体、もう人間としての形はなく、肉の塊になっている死体。
一番最悪だったのは、頭部が在るべき場所になく、腹の中に納まった死体だっただろうか。

不敵に笑う肖像画の顔にも、飛び散った血が点々とついていた。

「……」
その状況を驚くわけでもなく、目をそらすわけでもなく、ただ直視している人物。
───東堂日和。誰も見てはいなかったが、少し釣り上った口の片端が不気味だった。

時々足に引っかかっていたのは恐らく死体だったのだろう。
ただ、不思議な事に今まで腐臭を感じた人物はいない。

「きゃあぁっ!!?」
甲高い悲鳴の主は真理奈。
「ひっ───!!」
真理奈の視線の先を見ると、動き出す死体。

“ようこそ、恐怖の魔女の館へ───”

低く、地を這うような声がする。









そこで、俺たちは終わった。









　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　bad end───