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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ───呪い殺し。(オリキャラ募集にご協力お願いします!) ( No.60 )
- 日時: 2010/11/26 22:50
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
其の九「壊れない日常」
「あー、寒い!!」
最近は寒い。清神島は雪が降る所で、冬休みは皆で雪合戦が当たり前だとか。
「まだまだ、この程度はあったかいうちです」
と言いながらも、吐息は白いものに変っている雛。
「清神島の冬は寒いぞ」
とマフラーに顔を埋めて言うのは暁。
雪を踏んで学校までの道を歩く。本当に何もなく平和な日常だ。いつ壊れるかは解らないが───。
「───」
最後尾を無言で歩く日和。黒いマフラーで、口元を隠していた。
「なぁ、日和は趣味ってねぇの?」
少し後ろを振り返って大きな声で聞く。
「お、俺……?」
まさか声をかけられるとは思っていなかったし、“日和”と呼ばれるとも思っていなかった。
「俺は、別に───」
好きなこともないし、熱中できる事もない。
「ふぅん? なんか日和ってスポーツできそうだよな」
自分から日和の隣に行って、会話する。
「あ、あぁ……」
確かに、スポーツはできない方ではない。
「ほら、もう行けよ。皆ヘンな目で見てる……」
何とも言えない視線で見られて、居心地が悪い。
「あぁ、じゃーな!」
と手を振って小走りで行く。ここまで俺に話しかけたのは大神龍輝が初めて。
今日は1時間目から体育。しかも、マラソン。みんな嫌らしくて、ブーブー文句を言っていた。
男女別々で別れて走る事になっている。男子の1位は龍輝、2位はハヴィー、3位は暁だった。
「おーい女子!! 外周5周はきついぞー!!」
と、整わない息で言う龍輝。
そして、女子も走り終わる。男子よりかなり時間がかかったが。
1位は日和、2位は蜜柑、3位は真理亜だった。
「スゲーじゃん、日和!!」
俺たちの平和は、まだ崩れそうにはない。
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