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Re: ───呪い殺し。(オリキャラ募集にご協力お願いします!) ( No.86 )
日時: 2010/11/27 14:45
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

其の拾壱「空に集う」

「最近、お天気が悪いね……」
綺麗な青空は黒雲に覆われ、お日様が見えない。どこか不安げな瞳の真理奈。
「天気予報で嵐が来るって……」
最近はいつも折り畳み傘を鞄に入れて登校。空を仰ぎ歩く蜜柑。

清神島は嵐が来ると、船が来なくなって他と連絡が取れなくなる。そのため、完全に隔離された事になる。
食料の準備や、雨戸の用意などで大人たちは大忙し。清神島の嵐は、多くの被害を齎す。

「嵐が来るね、日和───」
と、風に揺れる髪をかき上げる。楽しげな表情の使音。
「あぁ。今年の惨劇はどうなるかな」
二人の瞳には、期待と好奇心が宿っていた───。

「───おんや、嵐かねぇ───」
と、一人の老人が呟く。その老人は、真理奈の祖母。
「───お祖母ちゃん」
と、不安げに呟くのは真理亜。今日は風邪をひいて学校を休んでいた。
「真理亜は何の心配も要らねぇ。ただ、魔女様を心から信じればいい───」

「嵐が来たらどこにも遊びに行けねぇな……」
と退屈そうに呟くのは龍輝。
「清神島の嵐は酷いからね……。外に出たら、風に飛ばされるよ」
あはは、と笑いながらそれを告げる夏苗。
「ふぁ……」
と退屈そうに欠伸する暁。だが、その瞳には決意のようなものが揺らいでいた。
「───」
無言の雛の瞳には、悲しみのような、怒りのような。複雑な念が渦巻いていた。

「───止むべきだ。忌々しい嵐よ───」
悲しげに瞳を閉じたハヴィー。
「あーぁ。嵐がきたか───」
いつもの陽気さはなく、真剣な表情のビルE。
「嵐───。魔女───」
怒りの念を込めて言う蓮寺。

嵐が訪れる。それは魔女復活の一歩───。