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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ───呪い殺し。(オリキャラ募集にご協力お願いします!) ( No.87 )
- 日時: 2010/11/27 14:59
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
其の拾弐「捧げよ、若き魂」
今日、先生がいつもより重い雰囲気で教室に入ってきた。
「───今日は、一冊の本を読むわね」
と、朝の会もなく、先生は本を開く。
「ある所に、清神島という離島があります。何もない所ですが、とても美しいところです」
皆、黙って悲しげな表情で聞いている。俺は何の事か解らない。
「大昔、清神島はある災厄にとり憑かれました。日照りが続き、米がとれなくなったのです。
そこで現れたのが、魔女を名乗る美しい女性」
先生がここで一息ついた。
「今でも清神島に奉られているリリアーヌ様という魔女です。
リリアーヌ様は言いました。『これからの無限の時、若き魂を妾に捧げると誓えば救ってやろう』と」
何か嫌な予感がしてきた。明確にではない。ただ、ぼんやりと。
不幸の影が迫っている気がした────。
「現在になって解った事ですが『若き魂』とは、10代の少年少女の事。
よって、清神島に住んでいる10代の少年少女は命の保証ができない」
「ッ───!!」
俺ら全員が見事その対象。10代で一番小さいのは真理亜。10代で一番大きいのはハヴィー、ビルE。
「貴方達には今日、魔女の館に行ってもらいます。絶対ですよ?」
と言って先生は教室から出て行った。
「───」
あの長い物語は置いといて、とにかく俺らは“死ぬ”って事だろ?
なのに、何で皆そんなに落ち着いてんだよ───!?
「誰も驚かないよ。これは、清神島の全ての10代の子供たちがたどってきた運命───」
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