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Re: 〜天変戦記ラグナロク〜 ( No.2 )
日時: 2010/11/25 22:38
名前: ZERO ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)

第一章 僕と天使とそれから悪魔と

「やばいな…。元の世界に戻る方法はないのか?」

少年は周りをきょろきょろ見渡す。しかし、殺風景な雲の上には何もない。

それを確認すると少年は座り込んでしまった。よほど今の状況が信じられないのだろう。

それでも少年は腕組して、地上に戻る方法を難しい顔をして考えている。

「地上に戻る方法はないのか…。ん?地上?」

ちょっと待て?地上?じゃあここは…空だよな?

もしかして!!雲の中を突き抜けていけば!

地上に戻れるかもしれない!!じゃあやってみるか!

僕は水泳の飛び込みのような体勢を取る。

自分の掛け声と共に雲の中に飛び込む。なんとか飛び込む事には成功した。

暗い雲の中僕は真っ逆さまに落ちてゆく。

——————————あれ?よく考えたら僕、高度で死ぬんじゃない?



「…………。ノォーーーーーーー!!!」

やばいやばい!!僕、絶対死ぬだろ!?死ぬだろ!?

僕の心は絶望に満ちた時には雲を突き抜けていた。

運が良かったのか悪かったのか街中に真っ逆さまだった。

ただ、僕の体の心配もあるがこのままだと大騒動が起こるかもしれない。

「…!!やばい、地面に!!」

僕は地面に凄い速度で落ちていった。そこは道路のど真ん中。

さらに小さなクレーターを作っているからどうしようもない。

その周辺にいる人達はざわめき始めた。車もブレーキを掛けた。

「お、おい。今何が起きたんだ?いきなりクレーターなんて!?」

は?そこのおじさん、僕の事見えてますか〜?

少年は困惑してしまった。何故少年の事が人間には見えないのか?

そして、しばらく道路の真ん中で立ち尽くしていた。