ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Blood band【オリキャラ募集中です】 ( No.21 )
- 日時: 2010/11/26 20:22
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
キーンコーンカーンコーン……
「はぁ……」
今日も俺は学校へと来た。毎日虐待されているのに良く来れるもんだと自分でも感じる。
まぁ、誰とも話さないし別に勉強するだけと言ってしまえば過言じゃないけど。
それよりもまた帰ったら殴られるのか……そんな思いが頭の中をぐるぐる回っている。
嫌だ、本当に嫌でしょうがない。何とかして悩みが消えてしまえば良い。
けれど消えるわけは無い。何て不条理なのかと思う。
そして時は流れに流れもう四時間目が終わり、昼休みとなっていた。
「早っ」
そんなに考え事をしていたのかと驚きつつ、誰とも話したくないので屋上へと上がって食べる。
……こんな生活いつまで続くのか。と言うよりどうすれば終わるのか。
(って、また考えてるじゃんかよ……)
自分自身に呆れ、溜息を着きつつ屋上へと上がる。屋上へと行くと風が強く自分の髪が頬にかかった。
気晴らしと言う程でも無いが暫くその事を忘れられそうな、清清しい空が見える。
その空にすら、羨ましさを感じてしまう俺は本当にどうかしていると自分で思う。
「ふわぁ〜……君って庵崎詩怨?」
ふと、座って弁当を食べようとした瞬間に後ろから声をかけられた。
先ほどまで人の気配なんて一切しなかったのに……コイツは何処から来やがった?
しかも地毛っぽい金髪何て俺の通う高校じゃあ早々に見かけないから顔くらい知っているはずだけど……
奇妙なくらい見覚えの無い、と言うか知らない奴だった。
一瞬戸惑う。けれど好奇心か何なのか俺はあっさりと頷いていた。
「へぇー……僕は黒川夏弥っていうんだ♪ 宜しくね」
そう言って夏弥と言う奴はにっこりと微笑んだ。と言うか何で一人称が僕なのかが気になる。
そして突然現れてきた奴に今は何の戸惑いも無く接していられる自分にも少し戸惑った。
夏弥って奴に心を見られているかのような奇妙な感覚に陥っていると言うか……とにかく複雑だった。
そして夏弥は俺の隣にちょこんと座ったかと思うとおかしそうに口角を吊り上げながら
「あれ〜? もしかして、君何かで悩んじゃってたりする?」
と言ってきた。何で分かったんだ? と焦りつつもまた頷いてしまう。
冷や汗に似た汗をかいているのが、自分でも分かった。緊張と言うより好奇心に似ている感情だった。
悩んでいる……そう、親の虐待のせいで。今それをコイツに話せばどうなる?
コイツに話せば何かが変わるんじゃないのか? と何故か思った。
そう、コイツに話せば……最早制御の利かない口が開き言葉を発そうとした。否、し“ようとしていた”。
「——————親の虐待のせいで?」
俺の発言を遮るかのように、夏弥が見事に俺の言いたいことを当ててきた。
何故分かった? そう聞く余裕すら消えてきて驚きながらも強く頷く。
すると夏弥は最初から分かっていた風な独特な表情を見せるとすくっと立ち上がり
「着いといで」
と言って俺の手を引っ張った。