ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Blood band【オリキャラ募集中です】 ( No.34 )
- 日時: 2010/11/28 10:30
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
———あはは! おい、ちょっと待てよ〜!
———ばーか。早くこっち来いって!!
晴天。冷たい風さえも太陽の光で温かくなってしまうのではないかと思えるほどの暖かい日。
僕—伊禮久哉は窓を見ながら、溜息を着いた。外に見えるのは楽しそうに笑う……僕の兄。
校庭で遊んでいて、僕には到底出来ない無邪気な笑みを見せて走っていた。
太陽の光に僕の苦労の末になってしまった真っ白な髪が照らされる。
何の苦労かと言うと、まぁ様々と言うか……勉強やら運動やら色々考え込んだストレスと医者は言う。
何でストレスなのかと言えば、兄のせい。兄はいつでもむかつく程完璧でいつも僕は兄と比べられる。
最初は元々真面目だった性格だったので努力はしたがどうしても比べられるのでいい加減嫌気が差す。
それとストレスが祟ってこんな髪になったのだ。いや、髪以外にも性格まで変わった気もする。
所詮、兄には及ばない駄目な弟だと言うところか。
……と、そこまできて、思わず自虐的な笑みを零す。めったに笑わないが自虐的な笑みなら簡単に出来る。
けれど、笑ってから思う。つまらない。そして嫌気が差す。
何かといわれれば、毎日に。そして、兄に。何度兄が消えてしまえば良いと思ったか。
「はぁ……」
こんな下らない事考えてたってしょうがない。何処かに気晴らしに行くか。
そう思い僕は席を立ち教室から出た。向かう場所は特に決まっていない……適当に歩きたかっただけだ。
とりあえず図書室にでも行くか、と思い1階へと向かうため、階段を下りる。
(本当に兄が消えたら良いのに……そうしたら僕の努力だって認められるだろう、きっとそうだ。)
他愛の無い、下らないと分かっていてもついつい考えてしまう。兄さえ居なければと思ってしまう。
結局、いつも頭の中にぐるぐるとその事が回っている。自虐的な笑みになってもしょうがない。
そんな事を考えて居る内にあっと言う間に図書室へと着いた。
読みたい本など特に無かったがとりあえず適当に小説でも探してみることにする。
そして目に付いた小説を適当に取り出すと、ふと変わった奴が目に入った。
……一応言えば、本ではなく、人。
見たことの無い地毛っぽい金髪の女子。嬉しそうに笑って2年4組の図書カードを図書委員に出していた。
どうやら、2年4組の生徒らしい。いや、本当は動でも良かったが目に付いたせいか妙に気になる。
気付けば、足が図書室から勝手に出て二年四組へと向かっていた。