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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Blood band【オリキャラ一旦終了です】 ( No.60 )
- 日時: 2010/11/30 06:36
- 名前: 梓桜 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
そんな事があってから私は急いで席に着いて、目の前で言われている陰口を聞こえないふりをした。
聞こえているけれど、そうでもしなければなかなか耐えられないものがあったから。
それに、先生から聞いたけれど今日は転入生が来るらしい。もし良い人だったら……
何となく嬉しい気持ちになるのを感じて、陰口をまた聞こえないふりをした。
キーン……コーン……
すると、朝の予鈴のチャイムが鳴って他のクラスメート達も席へと着く。
暫くすると先生がやって来て、皆が期待していた転入生もやって来た。
転入生の人は見る限りとても優しそうで穏やかな感じがする。
緑のかかった黒髪は不良っぽい男子みたいにロングにはしていなくてちょっと長いショートヘアくらい。
緑色の瞳が何処か優しくて落ち着いた雰囲気を放っている気がした。
そして先生が「自己紹介して」と言うと、その人は微笑みながら自己紹介を始める。
「遠山風真です。まだ転入して分からない事が多いので、皆さん宜しくお願いします」
ぺこりと遠山さんがお辞儀をすると皆大きな拍手をした。私もつられて拍手をする。
優しそうな人で良かったなぁ……と思いつつ私は次の瞬間には先生を凄く恨む事になった。
「遠山の席はあそこの……小高の隣ねー」
えええええええええええええっ!!? と言う風に私は目を見開いた。
いきなり遠山さんの隣なんて、どうすれば良いんだろう……いや、普通にしてれば良いんだよね。
遠山さんは微笑みながら私の隣に座ると「宜しくね」と言って着てくれた。
どうやって返事をすれば良いのかと戸惑ったけど「こちらこそ宜しく」と何とか言っておく。
それからまた後ろで私に対する陰口が聞こえたので、それ以上は何も話さなかった。
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