ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

6月9日 ( No.6 )
日時: 2010/12/22 22:55
名前: 櫂破死呪金鷲偽善者 ◆DjLU4FR6Jg (ID: ymYDaoPE)

6月9日「登校」

朝日が照らす輝かしい住宅街の道を、私は登校していく。

そんな中、一体これは何度目だろうかと呆れてくる。

いつも親との言い合いをしてから学校に登校するのだ。いちいち面倒くさい言葉を掛けられてから家に出る私の思いを考えずに。
私だって傷つくことだってある。それに気付いていない親が馬鹿なんだ。

何が“馬鹿”だ。お前の方がよっぽど馬鹿だろうが。
成績が悪いからっていつものように罵って、優越感に浸っているのはお前だけだろうが。

私が何をした。私は一体、なぜここまでされなくちゃならないんだ。あの明るい日々に戻させてくれよ。私が中学に入る前にいた、あの優しい母との生活を。

頭にだんだん血が昇って行くのを感じる。
頭の中のもやもやがイライラに変わって行くのが感じる。
目の前の視界が揺らいでいるのが分かる。

揺らぎに揺らいで、視界がある視点に集中した。

住宅街周辺近くにある公園の、砂場に置いてあったスコップだった。
頭で判断ができない中、私はそこまで歩み寄ると、スコップを限界までの握力で握り、震える手をさらに震わせながら、スコップを上に振り上げ、砂場に叩きつけた。

グシャァッ
と、たくさんの砂が摩れる音が響いた。

その音が、なぜか、このイライラ感を和らげてくれるような気がして、またスコップを上に振り上げ、砂場の真下に勢いよく叩きつけた。

グシャァッ

……まだ足りない。何もかもが足らないんだ。

ウザい。ウザイウザイ。

勉強のできる子がウザい。
運動のできる子がウザい。
私の母親はすべてがウザい。

憎い。憎い。憎たらしい。あと何回だ。あと何回怒られれば気が済むんだ。

てめぇの付き合いに付き添って生きてる暇は私にはねぇんだよ。

なんで私がてめぇの未来設計に企てられなくてはいけないんだ。私にも休みと言う言葉をくれよ。このイカレタ精神を休められる休暇を。



そんな気持ちがたくさん生まれている中、私の持っているスコップは何回も砂場に叩きつけられていて、もう制御が利かなくなっているのではないかと思った。

わたしの目の前にある砂場はもう、周りに撒き散らかされており、ほとんど凸凹の状態になっていた。

「……っ」

スコップを投げ捨て、少量だけ制服に付いた砂を払ってから学校へ向かった。