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Re: 真空パック〜参照400突破…だ…と!!〜 ( No.166 )
日時: 2011/01/09 18:00
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: やはり風邪を引いたようだ

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起きたらすごく身体が重くて。頭もぼうっとする。 亜利江はいない。
———身体の中に?

まだフラフラする身体を無理矢理起こし、一刻も早くその部屋から逃げ出そうとする亜呂江。 見ても見ても見渡しても、見渡す限り血の付いた機械やらがずらりと並んで彼女を見下ろす。

ストン、と地面に降りた瞬間に彼女の身体に走ったのは、痛み。 まるで足の裏に何かが刺さっているかのような、そんな痛み。 しゃがんで見てみるとそれは割れたガラスの破片だった。

———無闇矢鱈に動かないほうが良いっぽいなー、これは。

そう察知すると、元いたベッドに飛び込む。
自分の乾いた赤黒い血が付いたベッド。

———どうせ服もベタベタなんだから気にすること無……
———アレ?なんか洋服…

「違くねコレぇぇぇぇぇ!!?」

最初着てたワンピースじゃない…ていうかその前に。

「身体成長してない…?」

どう考えても10歳以上の身体だし、髪の毛も伸びてる。太股まであるし。

『ダダダダダダダダダダダ』『バンッ』「亜呂江ちゃん、起きたのかい!?」

突然物凄い足音が聞こえたかと思えば重そうな鉄の扉を開く。そして、聞き覚えがあるような無いような声。
「亜呂江ちゃん良かった生きてたんだね。もし今日の10時までに目覚めてくれなかったら棺桶に入れて埋めるつもりだったんだけ「殺すようなことしたのは貴方でしょ?」

ギロリとその人、博士を睨みながらも今の現状を説明しろ、と博士に腹キックしながら言う彼女。

「10年間、ずっと君は起きないままだったんだよ。実験が終わっても。あ、ちゃんと成功したからご安心を。君の体内に亜利江ちゃんはいるよ」
———重いのはソレか!!

「あ、そういえばさっきガラス踏んだんだけど。どうしてくれるんですか。痛いです」
「嫌に冷たいね亜呂江ちゃん。はいスリッパ」

———そんなんで凌げるかぁぁっ!!

そうツッコもうと思った彼女だったが、ツッコミを入れる価値なんてこいつには無いだろう、そう判断したのか素直にスリッパを穿く。

———で、さっきこの人が10年って言ってたから…私は14歳か。
普通に有り得ないと心の中で呟く反面、実はこれは夢なのではないか、そう思う自分もいた。

「話は変わるけどさ亜呂江ちゃん。僕ってまだ君に名前教えてないよね?」
「はい、教えてもらった記憶なんて微塵もありません」

うん今思ったらどんだけ失礼なの、名前知らないとか。

「僕は碑稲城 稲富。君の----------






                    父親だよ」