ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 真空パック〜参照400突破…だ…と!!〜 ( No.171 )
- 日時: 2011/01/10 09:41
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 別れが無い出会いなど無い←何処かで聞いたことあるような…?
5パックめ◆真実に潜む嘘、嘘に潜む真実◆
———はい?
「お父さ…ん?でも名字違うし。それに私のお父さんはちゃんといるもの。お母さんが浮気してるとでも言いたいの?それともそれは私をからかってるの?」
疑問に混ざって湧きでる怒り。
人にこんな感情を持ったのは初めてだ。
イライラする。今すぐにでもこの人を殺したい衝動に駆られる。
「名字が違うのはさ、結婚してからまたすぐ離婚したんだよ」
「何で」
「大人の諸事情」
にっこりと笑いながら言葉を返してくる博士に言葉を詰まらせる亜呂江。
「あ、それと。君がお父さんだって思ってたのは僕の手下だよ。結構イケメンだったでしょ?
君のお母さん…美千江はソレに気付いてないみたいだったけどね。
あの日僕が話したら、普通に納得してたよ」
———知らない聞きたくない興味無い。喋らないで。
「もういいいよ、帰る」
スタン、と地面に飛び降りて、スリッパを履いて研究所を出る。
「認めないよ、絶対」
ガチャ、とドアを開ける為手を伸ばすが、それは博士の手によって強制的に引き戻される。
「ッ……何す…
!?」
「あはは、嘘だってー♪マジで信じちゃった?かーわいいなぁ」
ふわりとお姫様抱っこされ、身動きが取れない。
「-------------------------------ッ〜〜〜〜〜」
赤くなりながらジタバタと抵抗する亜呂江。
「さてと、じゃあ亜呂江ちゃん。
出発の準備をしようか」
「出発?」
突然の博士の発言に首を傾げる彼女。
「いやだってさ、旅に出たいお年頃だろ?だからさ----------、
眠りの旅を、楽しんで」
そんな博士の言葉と共に現れたのが-------------------
&
『“真空パック”というわけなんです』
『今更だがな、どうでもいい』
———真空パック…確か由芽から聞いた…
「アレのことか」
リアルが話し終えた中、キルメリアは本当に退屈そうにあくびをする。
『龍緋さん、どうかしましたか?』
「……別に。
ちょっと亜呂江んとこ行ってくる」
それと同時に駆けだす龍緋。
『待て龍くん!!私も行くぞ--------------』
キルメリアも後を追おうとするが、リアルによってその行動は阻止させる。
『キルメリア、貴方は私に付いてきて下さい。確認したいことがあるんです』
『確認したいこと……?』
目を丸くし、何を確認などすることがあるのだろうという様子ながらもリアルの後を付いて行く。
沢山の“嘘”と“真実”を告げられることなど知らずに。