ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 真空パック〜参照500&返信200突破で号泣してます〜 ( No.208 )
- 日時: 2011/01/16 17:35
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 目が痛いze☆←
6パックめ◆最後の声は聞こえない◆
&
「龍っ!!?どうし-----------------
貴方…達は…?」
龍緋の叫び声が聞こえたのだろうか、目が若干充血している亜呂江が出てきた。
「ひさしぶりだな、おまえ!! おれのこと、おぼえてるか!?」
にこにこしながら亜呂江に1歩近付くヴェアナ。
「知らない。覚えてない」
血まみれのその姿で出てきた彼女を3人は若干びっくりしたように見ていたが、
『否定、否定。私ハ知らナい。嫌イきラいきらいきらイ。消えなサい』
突然の彼女の異変に気付きどうでもよくなる。
「こいつは…合体実験台の…カースト・ツインズじゃないのか、レーナ?」
ハッとしたようにレーナに告げるフィックル。
「そうよ?だからアタシ達は探してたんじゃない!! “叫び”を犯した者の罪を吸い込むものはカースト・ツインズ。つまりカースト・ツインズを王に渡せばいいってコト!」
『何ヲ話してるのカ知ラないけど、私は罪を吸い込むなンて優しいこトはしなイよ? く、ふふふ、あはははははははははははははははははははははははっ!!』
———イカレてるコねぇ。
———一体何処からここまでの声を出してるのかしら?
冷静に亜呂江、否、今は亜利江を見ながらレーナはそう思う。
「ねぇ。 ねぇ、須野江 龍緋。アナタに命ずるわ。
あのコ、風倉 亜呂江を殺して頂戴」『ガチャン』
無表情で言いながら、龍緋の目の前に小さなナイフが転がり出る。
「それともソレで、アタシを殺しにかかるのかしら?それでもいいわよ、アタシが優しく殺してあげるわ」
にやっと笑ってローブの中からもう1つのナイフを取り出して龍緋に向けるレーナ。
「ッ……あんたはそれで、偽善者のつもりか…」
「偽善者?おかしなことを言うのね。多分この状況で偽善者になるとしたら、アナタね。アナタが死ねばいいわ」
「却下する」
まだ息を荒げてはいるが、戦える状態であろう彼は、レーナの落としたナイフを手に取り、彼女に向けた。
「ふん、良い度胸ね。
フィックル、此処に結界を張って。この家が傷付かないように。それからアタシとこのコ以外、誰も入れないで」
ローブを脱いで、それをヴェアナに預けるレーナ。
その服装は、まるで制服のような感じの黒いミニスカートを穿いていた。
『ヴゥン…………』
そんな鈍い音がして、レーナと龍緋を取り囲む透明な結界が現れる。
「……これは?」
落ち着いた口調だが驚きまでは隠しきれていない。
「結界よ。この家を破壊しないように。あと部外者が手を出さないように、ね」