ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 真空パック ( No.240 )
- 日時: 2011/01/21 21:27
- 名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 国語のテスト90点代だった件について。奇跡だぉ^ω^
7パックめ◆暗闇の中にある光◆
「さってと。アナタがどれだけの力の持ち主か、見させてもらうわよッ」
「-----------------------------------いきなり掛かって来るかよ…?」
結界が完璧に張られたと同時にレーナが跳躍し、龍緋のふところ目掛けて跳んでくる。
「いきなり?戦いはいつでもいきなりよ。『よーいドン』で戦い始める馬鹿な奴が、この世界の一体何処にいるのかしら?」
キィンという金属音の音がよく響き渡る。
龍緋の頬をかすめたのだろうか、レーナの所持しているナイフから、細い糸を引くように、ツー、と赤い血が流れた。
その血をペロリと舐めとり、ニヤリと笑う彼女。
「あんたなんて、直ぐに殺せる」
本気になったのか、目つきを本気にさせ、ナイフを躊躇なく彼女の心臓に突き立てようとする龍緋。
それをひらりと交わし、レーナは綺麗な弧を空中で描く。
「解りやすい攻撃なんてやっても無駄よ、須野江 龍緋」『ドスッ』
後ろから声がしたかと思った瞬間に、レーナのナイフが龍緋の左腕に刺さる。
「ッ…ぁ…っ…!」
鋭い痛みが彼を襲う。 既に包帯の巻かれた腕からは、血が滲みだしており、酷く痛そうである。
「うふふ…。やっと面白くなってきたわね。 いいわ、その目。憎しみを持つ目ね、綺麗だわ」
にっこりと微笑んでから、
「抉り出したいくらいにね」
冷酷な顔でそう告げた。
「どうしたの、もうお終い? だったらアタシが今楽にしてあげるわ----------------」
そう言い掛けたレーナの腹に、ナイフが突き刺さる。 ピンク色の服からは、赤黒い血が滲み、やがてぽたぽたと地面に落ちる。
「……やって、くれたわね、龍緋クン? いいわ、アタシもそろそろ本気にろうかしらね!!」
カッと目を開き、先程までの笑顔を末梢するレーナ。
「最初から遊び気分でなんてやってほしくないんでな、こっちとしては。 どうせなら本気で勝負したい」
「勝負なんて甘っちょろいモンじゃないわよこれは。対決、よ」
ぼたぼた、という音がして、レーナの腹からまた血が流れ出す。 苦痛に顔を歪ませ、しかしなんとか耐えるように身体を支えるレーナ。
「少し休憩でも「何言ってるの!?今言ったじゃない、これは対決だって。休憩なんて甘い選択肢は、戦場には必要無いわ」
———いや、戦場じゃないけど。
先程やられた頬が、今になって少し痛む。
「さてと須野江 龍緋。何度も言うけどこれは対決。つまり決着付けるまでやり続けるなきゃなんない」
「解るよ、そんくらいね」
真顔で言うレーナに対し、普通の女子ならば落ちてしまうであろう笑顔で少し微笑む龍緋。
「じゃ、死んで」
「そっちが死ね」
冷酷な表情は、直ぐに戻ってきたが。